15年前、わたしは妊娠6ヶ月で十二指腸潰瘍と出血性胃炎を患い、喀血がとまらず死にかけていた。
面会謝絶になっていた病室に、突然、祖母が訪ねてきた。
家族には誰にも知らせていなかったのに……
「美里が死にかけている」
と思い、都内の病院を探し歩いたのだという。
その翌年の10月19日、祖母は82歳で亡くなった。
亡くなる前日だった。
入院先の横浜中央病院を訪ねると、もう意識がないはずの祖母が、目を開け、わたしの顔を見て涙を流し、手を伸ばしてわたしの手首を凄い力で握りしめた。
祖母は「美里は3歳までうちで育てたから、うちの子だよ」とよく言っていた。
ベッドから起き上がれない夜は、祖母が訪ねてくるような気がする。
面会謝絶になっていた病室に、突然、祖母が訪ねてきた。
家族には誰にも知らせていなかったのに……
「美里が死にかけている」
と思い、都内の病院を探し歩いたのだという。
その翌年の10月19日、祖母は82歳で亡くなった。
亡くなる前日だった。
入院先の横浜中央病院を訪ねると、もう意識がないはずの祖母が、目を開け、わたしの顔を見て涙を流し、手を伸ばしてわたしの手首を凄い力で握りしめた。
祖母は「美里は3歳までうちで育てたから、うちの子だよ」とよく言っていた。
ベッドから起き上がれない夜は、祖母が訪ねてくるような気がする。