柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

ただいま東北

2018年05月27日 22時39分56秒 | 日記
肌寒さも、人の疎らさも、落ち着くわ。

仙台駅から常磐線に乗り換えます。


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選書の日曜日

2018年05月27日 20時28分13秒 | 日記
いま、東北新幹線に乗っています。

南相馬まで日帰りできる最終が、この20時20分東京発のやまびこ59号なのです。

指定もグリーンも満席で、なんとか自由席の列に並んで2席確保することができました。

東京に到着したのが、13時。
それから、大型書店や図書館をハシゴして、本棚と本棚の間を歩き、立ったりしゃかんだり背伸びしたりして本を手に取りつづけること6時間。

注文確定の本を20冊、1冊購入して読んでみて判断する本を10冊、合計30冊を選ぶことができました。

往復7時間、店長のわたしと副店長の雪歩の交通費が5万円ほどかかります。

それだけの時間とお金をかけて、30冊のタイトルしか選べないことを非効率的と考える同業者もいらっしゃるかもしれませんが、フルハウスは、返本をしない方針なのです。

店長である柳美里がまず、これはぜったい良い本だ、売れ残ったらわたしが買ってもいい、と思う本を選び、副店長に売れるかどうかを訊ね、副店長に見てもらった上で、その場で協議をする。判断保留の本は購入して読んでみる、というのが、フルハウスの選書方法なのです。

選んだ本は、その本が絶版にならない限り、販売しつづけます。

本屋は選書が命なので、経費と時間を惜しみません。





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書店員の休日

2018年05月27日 09時01分31秒 | 日記
昨日の青山七恵さんの自作朗読会(作品は『踊る星座』)に、八重洲ブックセンターの内田俊明さんが参加してくださった。

内田さんとわたしは、1968年生まれ。

内田さんもわたしも、30年間、本の世界で生きてきた。

そして、新刊出版時の書店訪問では、いつも八重洲ブックセンターが最後で、中2階にあるティファニーでビールを飲みながら内田さんとお話しすることを楽しみにしている。

土曜イベントの前は、ゲストのアテンドで忙しいため、わたしは店には出られない。

イベント開始前にちらっと様子を見ようと、店に繋がる引き戸を開けたら、棚を見ている内田さんと遭遇し、「わっ!」と叫び声をあげてしまった。

緊張ーー。

内田さんは、書店員ひと筋の、プロ中のプロである。

敢えて、内田さん、どうですか?とは訊かなかった。

(ほんとうは、メインの平台中央部に本を美しく陳列するための什器について教えていただきたかったのだがーー。)

夜、副店長の雪歩から、内田さんがツイートしてくださった、ということを知らされ、メールで転送してもらった。(ツイッターのアプリを消去したので、自分のスマホやiPadでは見ることができないのである)


〈柳美里さんが南相馬市小高に開店された書店「フルハウス」にお邪魔しました。柳さんと有名作家の方々が選んだ本が、美しく並べられた空間です。すべてのスリップが、本を開きやすいように、一番最後の1ページに挟みこまれています。 〉

雪歩が拘っていたスリップの位置に気付いてくださった!

これは、うれしい。


いま、わたしたちは、常磐線に乗っている。

フルハウスが休みの日曜日と月曜日は、選書をするために仙台や東京の大書店や図書館に出掛けることにしている。

今日は、東京の3書店を回る予定である。

完璧、完成、ということはないと思う。

どこをどうすればもっと良くなるか、毎日副店長と話し合っている。

もっと美しい空間になる、と思う。

美は、細部に宿る。






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