こんにちは。
今日はラ・コリーナ近江八幡へ迷い込んだ子猫を引き渡す日でした。
なんやかんやで1ヶ月ほどうちに居ました(笑)
どうぞ大事に飼ってあげてください。
吾輩は三毛猫である。名前はまだ無い。
『第3話』
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
黒猫男と男女が帰って間もなく数人の人間がやってきた。もちろんそこにはあの憎き青めがねもいる。
その中のひとりの女が吾輩をひょいと持ち上げ、生ぬるい水の中へドボンとつけた。すると別の男が何やら強烈な臭いのする液体を持ってきた。
そしてその強烈な臭いの液体を吾輩へ塗りたくる。なんという拷問だ。殺すならすっと殺せばよいのに。いたぶりつけながら殺すとは。さすが人間の所業。全てはこの青めがねの仕業に違いない。やはりこの青めがねだけは決して忘れぬ。死んだら真っ先に化けて出てやろう。それも毎日。15年ぐらい出てやろう。
強烈な臭いの液体を塗ってはぬるま湯で流し、また液体を塗ってはぬるま湯で流し、を数回繰り返された。(この強烈な臭いの液体が後の青めがねの説明で灯油だと知った)『もうこれぐらいでいいでしょ』と、青めがねの声。拷問が終わったのか?『じゃああとお願いします』と言って青めがねが白くまぶしい部屋から出ていった。次の拷問の準備なのか?
いや、待て。次の液体は良い匂いだ。体に塗るとかゆくなる拷問の薬か?いや、そうではない。うむ、良い匂いだ。ぬるま湯に浸されながら気持ち良くなってくる。ほぉー、こりゃ気持ちが良い。もしかするとしばらく油断させておいて後に拷問する気なのか?いや、たとえそうでもよい。それぐらい天にも昇る気持ちだ。これが人間界で言う風呂というものなのだろう。なんと気持ちの良いものだ。
吾輩が良い気持ちでいると、次は白いタオルでゴシゴシされた。非常に強い。そして痛い。もう少し丁寧にできぬものか。男勝りな女だ。この女はがさつ女と名付けよう。それが終わり吾輩がプルプルしたのもつかの間、今度は熱風を浴びせられた。とてもじゃないが耐えられない熱さだ。熱い熱い!がさつ女は同じところばかりに熱風を当ててくる。なのにこのがさつ女は『綺麗に取れたなー。良かったなー』などと呑気に吾輩へ話かけてくる。
気分を損ねて同じところへ熱風を浴びせられると嫌なので、ひと言『ニャー』とだけ言っておいた。
体を乾かされてもう一度プルプルをしてみる。うん?なるほど軽い。体が綿のように軽い。そしてあのベトベトした粘着が無い。舐めるとくそ不味いベトベトが取れているではないか!
あの青めがねは敵か味方か?いや、今はどちらでもよい。ベトベトが取れると今までの疲れが一気に押し寄せてきた。途端に眠気が…。うむ…、吾輩はこのあとどうなるのか…?眠くなって…きた…。
須 山 漱 石