先日、本郷・菊坂を歩いていると水処理の会社として有名なオレガノの建物が解体中でした。きっと新しいビルに建て替えるのだろうと思って工事現場を見ていると、青い空の中心にオレンジ色の解体用クレーンが堂々と立っている姿に何だか興味を引かれました。何となく気持ち良い光景と思いませんか?因みにこのオレガノの建物は菊坂より数メートル高くなった場所にも地形を利用して建造物が続いていたようですが・・・・この高所にこそ1914年に創業し1945年に東京大空襲で消失した有名なホテル「菊富士ホテル」が在ったのですね。創業者が1914年に上野公園で開催された大正博覧会を当て込み開業しましたが、当時は東京ホテル、帝国ホテルと共に有名で、地上三階、地下一階、屋上に塔の部屋を持つ30室の新舘だったそうです。屋根に装置されたイルミネーションが輝き夜の菊坂名物となったとも言われています。このモダンな菊富士ホテルに宿泊した人たちは、博覧会で来日した外人客よりいつの間にか作家・芸術家が多く止宿し名作を生みだしたそうです。今はその場所に菊富士ホテル碑が建っていますが、そこには宿泊した作家名も刻まれていますので、皆さん一度お訪ねの上に確認してみて下さい。こんなことを思いながらの散歩も楽しいものですよ。
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花木深 |
杉山 順子 |
ワイズクリエイト |