本を出版する時にはいろいろな事をやらなければなりません。どんなに素晴らしい本でも、ただ出版しただけでは売れません。本作りの基本コンセプトは勿論のこと、宣伝、営業がかなり重要だと思っています。今回制作の「東京下町界隈 カメラ散歩」でも事前のプレスリリースを日刊紙、カメラ雑誌など何社にも行った結果、何とか取り扱って頂ける媒体もありました(かなり楽しみです)。また先日は、今の時代に絶対無視できない書籍販売の巨艦「Amazon」への事前登録も完了しました。この「Amazon」ですが日本中の書店が減少する中、独自のシステムで本の紹介と販売を行い急成長してきました。ワイズでも既刊書籍をかなり販売して頂いています。従来は大手出版社で立ち上げた「書籍取り次ぎ会社」を経由しなければ書店本棚に本を列べる事は出来ませんでした。これこそが読者の目にとまるの唯一の手段だったのです。ところが今はパソコンの画面を見ながら好きな書籍をチョイスして「ポチッ」とやれば翌日には書籍が自宅まで配達されるのですから、世の中変わったと思うしかありません。ただ、これによりワイズのような出版社の端くれでも「Amazon」と言う土俵の上では大手出版社に互して戦うことが出来る様になったのです。この土俵で戦う上での私のポリシーは「書籍作りにおいて絶対に手を抜かない」事です。出版が本業の出版社では、決められた期間を前提に、次から次と本を出さなければなりませんが、ワイズの場合は「拘り」にいくらでも時間を使う事が出来るのです(ある意味ずるいけど)。ですから「東京下町界隈 カメラ散歩」も制作に約4年も掛けています。2008年に出版した「大判カメラマニュアル」は構想7年、制作2年でしたが、未だにカメラ量販店のカメラ関連書籍の売り上げではかなり上位で頑張っています。要するに「拘った本」を作れば長期間売れると思っているのです。書店で見る書籍の多くが「編集者がライターを使い簡単に作っている」と思うのは私だけでしょうか?出版後は販売が可能そうなカメラ専門店、各観光協会、掲載界隈に在る各種ショップに取扱営業に出掛けるつもりです。企画して、取材して、撮影して、書いて、編集して、レイアウトして、広告営業して、宣伝して、売り込む事を一人で担当するこの醍醐味は何とも言えませんよ。これも「拘り」なのかもしれませんね。