夏休みに熱海から箱根に足を伸ばしたときの続きのお話です。箱根・富士谷ホテルのベーカリーでパンをしこたま買い込んだ後の事ですが、自動車の中にも美味しそうなパンの匂いが立ちこめ「ランチはパンにしようかな?」と思いながらハンドルを握っていると「蕎麦 貴賓館」と言う立派な看板を発見しました。「庶民的な蕎麦なのに貴賓館とは之れ如何に?」と、つい立ち寄ってしまいました。駐車場に自動車を止め、小さな山となった庭園を通り抜けると在ったのですよ「蕎麦 貴賓館」が。何でも大正7年に藤田平太郎男爵の別館として建てられた「国登録有形文化財建造物」が蕎麦屋さんに変身しているのです。重厚そうな建物に入ると「芸術蔵」と言うスペースに山本丘人や東郷青児など日本画を代表する巨匠の作品を常時16点を展示していたのです。作品の前にはロープさえなく目の前数センチでこれらの作品を鑑賞することが出来るのですよ。何か得した気分になりますよね。暫く日本画を鑑賞して通された食事スペースも和洋折衷の落ち着く部屋で、縁側と庭園越しに箱根の大文字山が見えると言います。(この日は雨で見えませんでしたが)。ガラス戸の波打つ透明ガラスが哀愁を誘います。食事は奮発して写真の大文字会席(3950円)をオーダーして私としては異例の1時間半を掛けて頂きました。隣接する箱根小涌園からは想像できないゆっくりとした時間の流れを楽しむ事が出来るランチとなりました。芸術と美味いもの・・・幸せですね。
蕎麦 貴賓館
神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1297
0460-82-5111
![]() |
大判カメラ体験記 |
清水 実 | |
ワイズクリエイト |
![]() |
大判カメラマニュアル |
木戸嘉一 | |
ワイズクリエイト |