映画で楽しむ世界史

映画、演劇、オペラを題材に世界史を学ぶ、語ることが楽しくなりました

日本版ダイ・ハード「ホワイトアウト」

2013-03-20 00:01:47 | 舞台は日本
日本版ダイ・ハード「ホワイトアウト」

真保祐一の原作は吉川英治文学新人賞を受賞し、
このミステリーがすごい!で国内部門1位に選ばれるなど、評判の高いベストセラー。

若松監督は、映画デヴュー作として相当張り切って作られた、その意気は良く伝わってくる。

しかし意識してか無意識にか、あの「ダイ・ハード」と全く同じ作り方。
主演の織田祐二もそれは充分感じていただろう。ブルース・リーに劣らぬ「不死身」ぶりだ。

小説を読んだ時にも感じたのだが、特に映画になって思うのは、
もう少し発電所内の各種構築物の関係や、周辺の地理などについて、
ナレーションでいいから説明を加えて欲しかった。

・・・少し調べるとこの小説の奥遠和ダムのモデルは「奥只見ダム」とされており、
映画の中で使われる地図は奥只見ダム周辺の地形図であるとのことであるが・・・。

尚、題名となっている「ホワイトアウト(Whiteout)」とは、

・・・極地や冬の雪山などで、吹雪や地吹雪によって雪が舞い上がることなどから、
視界全体が白一色となり、方向・高度・地形の起伏が識別不能となる現象のこと。
この状態に遭遇すると、雪原と雲が一続きに見え天地の識別が困難になり、
太陽の位置が判別できなくなり、太陽光が遮られ足元の風紋も見えない場合もある。

そして原作者がこの題名を選んだ理由は、映画の内容からしても良くわかると思う。
(特に犯人像がなかなか分からず、真犯人についてある種のドンデン返しがある)

(了)



コメントを投稿