プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「原発再稼動」考

2014-12-01 10:33:46 | 日記
 原発再稼動について、現代思想家の内田樹さんのインタビュー記事がありましたので、ご紹介します。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 川内原発の再稼動は、(書類の不備で来春になりそうですが)ほぼ確実な状況ですが、内田さんは現在の状況を、「事態は3・11以前より悪くなってしまった」、「原発で事故があれば、電力会社も、国の原子力行政も根底から崩れてしまう」、「『福島以前』には、政府と電力会社の側にも、そのような『おびえ』がありました」、しかし「福島第1原発事故は、それ(おびえ)が不要だったことを彼らに教え」てしまった、と言われます。

 何故なら、「これまで、原発事故について関係者の誰一人刑事責任を問われていない。事故処理に要する天文学的コストは、・・・税金でまかなわれている」、しかも、「政府と東電が、事故がもたらした損失や健康被害や(放射性物質による)汚染状況をどれ程過小評価しても、国民の側はそれに反証できるだけの(科学的)根拠を示すことができない」、不幸なことに「彼らは、原発事故でそれらのこと(原発とその事故による被害の責任をとる必要もなく、国民が何もできないこと)を『学習』し」たのだと。

 「福島の事故は、放射能汚染で国土の一部を半永久的に失う事態を招きました」、「日本の森林率は67%で世界トップクラス」、「豊富な水、清浄な大気。これらが殆ど無償で享受できる。こんな豊かな山河に恵まれた国は世界でも例外的」、「何故、国土を汚染し、人間が住めない土地を作るリスクを冒してまで、目先の金を欲しがるのか」、「せいぜい5年程度のスパンの中でも経済的利益を確かなものにする」に過ぎないのにと主張されています。しかし結局は、国土を汚染し、コミュニティーを破壊し、健康被害をもたらしても、刑事責任はおろか、(実質的に)民事的な責任も国民が負担し、原発産業に連なる原発関連メーカー(或いはゼネコンなど)は、事故が起きても尚、その事故の処理によっても儲かる「仕組み」(システム)がある以上、それは単に「目先」だけの利益ではなく、彼らにとっては、貪ることのできる国と国民がある以上、「半永久」的な「利益」となっているということです。

 また(内田さんの論点にはないのですが)「原発」(核)とその運用「技術」を持つということは、明らかに国の威信を示す「ステイタス」であって、その「ステイタス」を得ることができるだけの「関係」を、核大国である「5大国」と(それが従属的なものであれ)持ち得ているということです。世界的な核戦略の中で、「核」(原発)を持って良いという「お墨付き」を得られているということが、軍事的にも政治的にも経済的にも、この世界の中では優位な「ポジション」を得ているということを示すものだからです。原発とその再稼働に安倍さんや国が拘(こだわ)るのは、この点も非常に大きな理由なのだと思います。それを全て投げ打ってでも、「国土」と「国民」を守る気持ちは、(残念ながら)「彼ら」にはないということだと思うのです・・・

P.S. NHKの日曜党首討論で橋下さんが、(国と地方の)公務員と議員の給与を2割減らして、年間5兆円を創出し、それを低、中所得者層へ直接税金として投入していく(レイズアップ)と、現在の大企業優先の経済政策とその「トリクルダウン」(おこぼれ)政策と同時に行なうべきだと主張されていました。GDPの6割を占める「消費」をアップさせるには、有効だと思いました。また、共産党の志位(漢字が違っているように思いますが)さんが、285兆もある大企業の内部留保に税金を掛けるように主張されていました。私も米国同様に税金を掛けるべきだと思います。政府は、どちらもする気はないようですが・・・

P.S.2 (余り楽しい話題はないのですが)朝ドラで、「マッサン、人の話聞かないよー」耳の痛いセリフですが、あのエリー(米国の舞台女優のシャーロットさん)の悔しそうで苦悶の表情を見ると、何故だか微笑ましい限りです。日本の童謡を外国の方が歌っているのも、何か胸がくすぐられる感じです。(全然関係ないですが)「アサイチ」でアロエ(美肌に良いとか)の特集をしていたので、今から柿の下に(おがして捨てたのに)繁殖しているアロエを採りに行って来ます。それでは、ごきげんよう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月1日)