プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

放射能汚染水漏洩事故

2013-04-08 13:19:18 | 日記
 原発敷地内地下に汚染水の貯水槽が造られ、そこに溜められていた放射能汚染水が、2号貯水槽で推定120トン、7、100億ベクレル(年間排出量の3倍)漏れ、さらに3号貯水槽でも漏水が見つかりました。この貯水槽は事故後に汚染水の貯水の為に造られたコンクリ-ト製のもので、1.5mmのポリエチレン・シート2枚とその下に6.4mmの(ベントナイトと言われる)粘土質の遮水シートを敷いただけの、(放射能汚染水を入れるには)余りにも簡易なものです。(以下、引用・参照は『朝日新聞』)

 しかも、施工過程で、漏水検出器を設置する為にシートに穴を開けて、その後継ぎ合わせるという非常に難しい工程を経なければならず、今回の(トラブルと言うより)事故は、その穴(継ぎ目)が塞がっていなかったか、汚染水の重みで引っ張られて開いた所から漏水しているようですが、漏洩部分や原因は明らかになっていません。(東電は、シートに配管を通す水槽上部の穴が、引っ張られて開いた部分から漏れていると言っているそうです)同じ構造の他の貯水槽からも、今後さらに漏水事故が起きる可能性は否定できません。この貯水槽は、漏水の実験すらしておらず、書類のチェックだけで放射能汚染水をいれたそうで、保管と言うには余りにも粗末な施設に、放射能汚染水を入れたこと自体に問題があるように思います。

 只、汚染水の保管状況は逼迫しており、全タンクの容量32万5千トンに対して、現在27万6千トンの汚染水が貯蔵されており、残る容量は僅か4万9千トンしかなく、仮に7つの貯水槽(全容量5万8千トン)全てが使えなくなると、9千トンが溢れてしまいます。汚染水を全てタンクへ移送するようにとの福島県の要望に、「ない袖は振れない」という余りにも失礼な回答をしています。実際、今月半ばに完成予定のタンク約6千トンを入れても、やはり収容し切れません。事故後ずっと放射能汚染水が(原子炉建屋地下から)漏れ続けている同原発ですが、しかも汚染水が事故後の3倍以上に増え、そしてさらに増え続ける中、(なかにし礼さんは、永遠にタンクを増やし続ける覚悟を持つしかないと強烈な皮肉を言われていましたが)その汚染水対策の根本的な解決はなく、漏洩事故が永続化するという状況のようです・・・

P.S. (原子炉に注水する水はともかく)建屋に流れ込んでいるという地下水対策、(何度も何度も恐縮ですが)早く(幾つあるのか分かりませんが)地下水脈を特定して、流入を防ぐ処置を取って頂きたいのです。何故、出来ないのでしょうか?その原因を公表して欲しいのです。日本の全ての技術と科学力を持ってしてもできないことなのでしょうか?(金融緩和と大型公共工事、そしてバブルに関しては)迅速がモットーの安倍さんですが、原発事故の対応に関しては、まだ全く手付かずとしか言いようがありません。汚染水が溢れかえる自体ともなれば、これは最早人的な「大事故」と言えるものです。一刻も早く、それこそ首相が乗り込んで、対応を指示して頂きたいと思うのです・・・

P.S.2  福島第1原発に常駐している原子力規制庁の保安検査官は、僅か8人だそうです。たったこれだけの人数で、事故を超した4基の原発と燃料プール、あるいは今回の貯水槽や浄化システムなどを検査できるのでしょうか?実は、この8人と言う人数は、事故前と変わらない数字だそうです。異例の過酷事故に、異例の放射性物質放出、増える放射能汚染水に永続化した汚染水漏洩、このような人数で対応できるものではないと思うのですが。ちなみに、この検査官、(まさかの時は原発と命運を共にするべき立場の彼らですが)事故時には真っ先に逃げられたとか。「流石」としか言いようもありません・・・

P.S.3 米国の原発には次のような「標識」があるそうです。「Deadly Force」訳せば、「死の実力行使」と言うところでしょうか。米英では、「核施設の安全を保つ為、武装警備員が原発の外に銃口を向け」ていするのだそうです。当然と言えば当然のことと思います。また、「発電所1ヶ所当たり年間6,820時間の検査をし」ているそうです。これもまた、そうすべきだと思います。さらに、原発へのサイバー攻撃に対するルールも作ったとのことで、(いつ北からのサイバーテロがあるやもしれません)日本の対応が如何にも遅く、如何にも甘いのではないかと危惧しています・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年4月8日)