プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

放射能放出は合法?

2012-02-06 11:29:53 | 日記
(某週刊誌によると、)田畑を放射能で汚染され、役場に罹災証明を申請した方が、「被災原因は東日本大震災とは書けるが、原発事故とは書けない」と言われたそうです。(田畑の放射能汚染は、間違いなく福島第1原発の事故によるものなのですが・・・)納得できないその方は、環境省に「(放射能による)土壌汚染という違法行為の被害者」として認定する要望しましたが、「この度の放射性物質の放出に違法性はないものと認識しております」との回答だったとのことです。

実際、「環境省が管轄する土壌汚染対策法」や、「環境法令の根幹である環境基本法」では、「放射性物質は除外されて」おり、「大気や海洋、水道水に放出」されても対象外であり、違法性はないとの認識なのです。さらに、汚染野菜などの出荷制限等の被害に対して東電が行う損害賠償にしても、農産物や農地が汚染されたことに対する損害に対してでは」なく、「原子力災害対策特別措置法代23条による指示によって被った営業的な損失について、農家又は農業団体が自ら挙証責任を負いながら、賠償を請求しているだけ」なのだそうです・・・

つまり、政府の「指示」で損害を受けたから、政府に賠償を求めなさいということになります。法律的には、放射性物質を放出した東電には責任はなく、賠償の責任を負うのは東電ではなく政府(しかも、実際に拠出されるのは、国民の税金)だということです。昨年、二本松市のゴルフ場が提起した裁判でも、福島第1原発から放出された放射性物質は、(東電の主張どおり)「東電の所有物ではなく、除染の責任はない」との判決が下されましたが、こうした法的な不備を背景に、東電が当事者(加害者)意識を欠落させ、賠償を補償と言い募り、被害者や避難者に対して、冷たく横柄な態度を示してきたのも頷けます。

このままでは、今後現れるであろう被曝による健康被害も、東電が認め、賠償することは考えられません。違法でないものを、賠償する必要はないとの立場を、東電はこれまで示しているのですから。こうした構造は、何もフクシマだけではありません。原爆が投下されたヒロシマでも、ナガサキでも、「投下」には違法性はなく、(放出した)放射性物質の所有者もおらず、(投下した米国に)除染の責任もありませんでした。ミナマタでも、やはり誰にも法的責任はなく、救済という名で国民の税金が、被害を受けた人々にスズメの涙ほど与えられたに過ぎません。(勿論、何も賠償されることなく亡くなった方も、また世間を憚って申請すらしなかった人も、申請しても認められなかった人もおられました・・・)これがこの世界の現実です。フクシマでも、また、同様のことが繰り返され、私たち国民は、それを黙って見ているしかないのでしょうか・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年2月6日)