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NPO法人GRAの活動や考えを伝えます

やっと、25年 「阪神淡路大地震が GRA に遺したモノ」

2020-01-17 23:23:06 | GRA活動の目標達成

『 やっと、25年が経ち 』
 
1995年 1月17日、未明、神戸市中央区にあった GRA事務局は、阪神・淡路大地震の影響により全壊の被害を受けました。 と同時に生きていくために新たな努力を強いられた瞬間でした。
  
それから、25年が経ち、多くの方々にとっては「もう、25年経ったのか」という想いもあるかも知れませんが、私にとっては「やっと、25年か」という思いになっている事を白状します。
震災の恐さは、地震に襲われた瞬間にあるのではなく、その後の長い年数に亘り、人の心と身体を傷つけ続ける事だと思います。実際に、被災10年が経った、2005年 1月17日の未明でさえも、冷たく重い恐怖感に襲われて目覚めた程でしたから、こうして25年が経つまでは、話題にさえあまり出せませんでした。
              
                      
私は、幸いな事に身体的な受傷は無く、扶養家族も無く、公的支援から一番遠い存在になる事もあって、一人だけで戦いの毎日が始まりました。 一番確保すべきは、食糧と仕事、次に住居環境の確保が続き、GRAの運営、そしてオートバイの事は二の次の重要度でした。
実際、あの日、夜が明けた頃を見計らい、瓦礫の下になっていたオートバイ(競技車両:ブロス)を掘り出し、曲がっていたディスクローターを交換修理し、隣近所の人々がお互いの無事を確認しあっている姿を横目に、当時の勤務先だった大阪・梅田へ向けて、車が一台も走っていない道路を走って破壊され尽くした街を抜けて行ったのです。
    
道なき道を探し、縫う様にして到着した大阪の被災は軽微で、職場環境に問題は無く、食糧・水も容易に確保できた事から、公共交通機関が復旧するまでの数か月間、オートバイでの通勤を続ける事になりました。同時に、前年から企画を進めていたイベント開催会場にも問題は無く、予定通りに GRAの活動を続ける事を決めたのです。

 

  
  
『 諦めたコト、得た体験と考え 』


そうやって 1995年が始まり、全国各地 6箇所を転戦して獲得ポイントを競うシリーズ戦(ジムカーナグランプリ)を含めて、全24イベントを予定通りに開催する事ができましましたが、それは変わらず GRAの活動に期待して支援もしてくださった方々のお蔭であり、同時に私自身の競技者として活動を諦めたコトとも関係があります。
  
震災以前の神戸の地は、山に海にと、オートバイを走らせる機会や喜びを与えてくれた稀有な存在でしたが、震災後は、港の護岸部の殆どが崩れ、市街地は復旧工事車両や通行規制が長く続き、路面は埃や砂に覆われ、イベントを開催した時だけが唯一、オートバイを楽しむ機会になったので、神戸市内での移住を決めた結果、競技者としての練習や大会遠征は一切諦めたのです。
   
    
しかし、諦めた事は GRAでのイベント開催活動に力を注ぐ事に繋がり、新イベントの企画や開催数が年々増えていき、1999年には年間全46イベントも開催するに至った大きな原動力にもなったと確信しています。そして、イベント開催などの活動を一気に拡充させて、事務局活動を積極的に支援してくれるメンバーにも恵まれる様になった頃、数を増していたイベント参加者との意識ギャップの開きの大きさが課題として眼に映るようになり、それが予想をしていなかった新たな知見と活動方針のヒントを与えてくれたのです。
   
それが、「 イベントは、ライダーは簡単に増やせるが、人は簡単に増やせない 」でした。

 

 

『 社会人ライダーの大切さ 』
 
何故、そういう考え方に至ったのか? そこに被災した体験がどの程度影響していたのか? は分かりません。なにしろ、あの日以降、後を振り返らず無我夢中で生きていた頃でしたから。
   
しかし、イベント開催を数多く重ねても、オートバイで楽しむのが上手になる人が増えるだけで、オートバイ環境を良くする事に尽力する人は決して増えず、他者よりも速いタイムを出す事に熱中する人は増えても、自身より技術的に劣っていると思う者への偏った優越感と無関心が溢れる環境を生み出すなど、イベント開催者の開催意図を理解しようとせず、逆にイベント開催者に負担とリスクを増やす“子供ライダー”は確実に増えると実感し確信したのです。
   
自身と他者との関係性で成り立つのが社会ですから、自身の利益や目的の為だけに社会の存在を利用する事は、社会全体、つまり他者への負担を強いる事です。
本来ならば、自身に一定以上の能力と機会がある者は、それを必要とする他者や社会に対して支援を積極的に行なうのは当然の行為であり、社会全体が良くなる事を願うならば義務とも言えます。
   
オートバイやライダーが、道路という公共交通機関を利用する存在として認識されている限り、例え閉ざされたエリア内で走行する場合や限られたメンバー同士であっても、社会の中での認知度や評価も踏まえて、より良い社会環境を育む自覚と実践的行動が行なえる“ 社会人ライダー ”が増える事は大切です。
  
GRAは、より良いオートバイライフ環境の育成の為に、可能な限り蓄えてきた知識や知見を、広く多くの方々へこれからも提供をし続けて、自身と社会との関係性の中で、より良いオートバイライフ環境の育成を支援していきます。
どうぞ、この GRAの活動に関心のある方には、この活動に対して、様々な形でご支援を頂戴したいと願っております。 また、そんな方々が一人ひとり、例えば GRAのように、独立して社会的な活動を始められる事も夢見ております。
  
一緒に“ 社会人ライダー ”を増やしていきましょう。

 
 
                                                                                      NPO法人 GRA 代表理事   小林 裕之 
  
  
  
     


『 GRA ミーティング 』 開催の案内です

2020-01-16 23:38:18 | 開催イベントの案内

GRA の 活動に関心のある人と共に、もっと多くの知識を、もっと多くの人々へ届け、一緒に より良いオートバイライフを過ごすための情報共有活動を進めていきます。
     
『 GRAミーティング 』は、2019年の活動を見直して、2020年の活動を充実させる為の会議です。
近県で参加可能な方はもちろんの事、参加が難しい人でも、「意見」や「提案」、「要望」を届けて下さい。



『 GRAミーティング 』への参加条件(年齢、性別、参加経験、免許取得の有無)は一切ありませんし、事前の参加予約や参加費は必要ありません。
   
なお、活動報告書 や 活動予定など、詳しい情報や案内は、下記の URL をクリックして、公式Webサイトで確認してください。

【 GRA ミーティング 】
http://gra-npo.org/schedule/meeting/meeting_2020%20top.html



【 開催イベント情報 】
http://gra-npo.org/schedule/schedule/kinjitu/kinjitu.html

  
  
  


サスペンション と ドアクローザ の働き(仮称) 掲載企画、進行中

2020-01-05 23:30:13 | オートバイ基本講座の基本

オートバイを、いつまでも、楽しく、安全に乗り続ける為には、
オートバイの理解は、やっぱり欠かせません。

そして、オートバイにとって一番大切な部品は 「タイヤ」で、その管理や整備についての知識は多くの人が知っていて実践していますが、次に大切な部品 「サスペンション」となると、知識も実践も多くないのが実情です。

サスペンション という言葉は知っていて、「スプリング」「ダンパー」についてもある程度知っていて、「イニシャル(荷重)」または「プリロード」は聞いた事がある程度で、「スプリングレート(ばね定数)」になると知らない人が殆どで、知っていても正しく分かりやすく説明できない事例を多く見かけます。

そのため、サスペンションの調整・セッティングの話題になると、使う言葉が 【 堅い 】とか 【 柔らかい 】の 用語二つしか無くて、どの状態が良いかさえも理解出来ていない事が多くあります。

そこで、その理解をサポートする為に、“ 特製ドア クローザ ” を 作ってみました。(仮想)

 

「 ドア クローザ 」とは、恐らく多くの家庭の玄関ドアや 会社のドアに装着されている装置で、開けたドアを自動的に閉めてくれる働きをする装置ですが、この記事をご覧になっている 殆どの人は ほぼ毎日の様に使って馴染みがあると思います。

実は、この「 ドア クローザ 」は、オートバイのサスペンションとほぼ同じ働きをしているので、その構造と作用(動き)を一度理解すれば、きっとオートバイのサスペンションの話も理解が進み、拒絶反応、恐くなくなるでしょう。

「 ドア クローザ 」と サスペンションの解説記事は、現在作成中で、近日中に公開できると思いますが、特に、フロントサスペンション の 正しい理解は、読まなかった他の誰よりも進むと思いますから、ご期待ください。


【 ドア クローザ の解析 】 ( 予定記事 )

〇  スプリングは何の働き?  何をしている?
〇  スプリングの強さ( スプリングレート )は ドアの重さで決める
〇  イニシャル荷重(プリロード)は、開ける人の体力に合わせる
〇  ダンパーの役割は、開ける時、閉まる時、どちらが大切?
〇  ダンパーのベストの調整は、どうやって判断する?
 
 
  


オーリンズの改良記録 ” Modification of Ohlins " 「妖怪ガレージ日誌」

2020-01-04 23:46:19 | オートバイ基本講座の基本

オーリンズなど、社外製のサスペンション ユニット に交換している人は少なくない。
タイヤ交換に次いで、オートバイが持っている性能を正しく発揮させる為には、とても有効な手段だ。

しかし、車両価格の 1/5 程もする高額な部品、充分にその特徴や性能を発揮させている人は決して多くない。 「 〇〇車専用 」として販売されている品をそのまま装着して、ダイヤルを少し触って終わりでは “宝の持ち腐れ” だ。
  
そんな訳で、ダイヤルでのダンパー調整や車高調整の前に、頭に入れておいて欲しい事がある。




『 サスペンションユニットの事情 』

先ず、「 〇〇車専用 」として販売されている サスペンション ユニット は、車両メーカーに純正装着されているユニットに “近い” 仕様で販売されている事を知ってて欲しい。

“ 近い ” と言っているのは、ユニットメーカー側の事情で、「 純正装備されているユニットと、同じレートのスプリングで、そのレートに合ったダンピング特性にして、全長も標準品と同じにできます 」という仕上がりになっているからだ。

その理由は、それら社外製ユニットは、純正装備の品の様に、特定の車両に合わせて専門スタッフが専用のテストコースを走らせて熟成させた専用設計の品とは違うからだ。
社外製ユニットは、その車両に装着して、専門スタッフが専用のコースで走行テストを重ねた専用設計の品ではなく、数種類の基本的な部品を、標準装備品に似せて “組み立て” て、「装着可能です」と言って販売している品に過ぎないからだ。
つまり、装着した後には、車両とライダーに合わせて、プリロード調整や車高調整、そしてダンパー調整を適確に行なう必要があるのだ。そして、それをしなければ ノーマル以下の性能しか出せない事にもなる。

その上で、数種類のピストンやシリンダーなど基本的な部品の組み合わせで、ほとんどの車両に適応可能な製品を組み立てている事を利用しなくてはモッタイない。 大切なスプリングを、乗る人に適したスプリングレートを指定して注文したり、購入した後でスプリングを交換する事も可能だし、変更したスプリングレートに合わせてダンパー内の部品交換をして設定変更ができる事も忘れてはいけない。

「〇〇車専用」とか「装着可能」として販売されている “近い” 状態の品を、本物の “専用品” に出来るか出来ないかは あなた次第だと知っておいて欲しい。


『 悩みの、スプリングレート 』

サスペンション ユニットの内で、一番大切な部品は? と問われば 「 それは、スプリング 」と言って間違いない。( 何度も言っておきます )  そして、スプリングで一番大切な要素は? と問われば 「 それは、スプリングレート 」で間違いない。

スプリング レートとは、簡単に言えば 堅いか柔らかいかの事で、ベッドのマットレス の反発力の大きさと同じだ。 
小柄で体重の軽い赤ちゃんや幼児なら柔らかいマットレスが合う様に、小柄で体重の軽いライダーに適したスプリング(レート)と、大柄で重いライダーに適したスプリング(レート)は違うのが当たり前。  特に、オートバイの場合には、サスペンションは安全に深く関わるサスペンションだから、乗る人に合ったスプリング(レート)を選ぶのが一番だ。

しかし、困った事に、車両メーカーが純正で設定しているスプリング(レート)に疑問を感じる事が少なくないのだ。 特に感じるのは、SS車、レーストラックを趣味で走る事を前提に設計されて、トラックテストでの評価で販売成績が変わる車両のスプリング(レート)だ。  街中の走行では、とても安心して曲がれず、雨の下り坂コーナーだと恐怖さえ感じる車両が少なくない。

それなのに、社外製ユニットのメーカーは、純正設定のスプリングレートのまま組み立てて販売しているから、その事で悩んでいる人は気をつけるべきだろう。
純正装備のユニットや標準仕様の社外製ユニットでは、楽しめず恐さを感じているならば、発売元(多くは輸入・組立・販売会社)に連絡をして、スプリング(レート)の交換とレート変更に合わせたダンパー仕様の変更を打診するべきだと思う。 それに快く対応してくれる発売元であれば、大切な オーバーホール作業の依頼時に微調整も安心して頼めるし、技術力と信頼性のある販売元を確認する為にも、更に都合が良い。





『 スプリングの性格 』

スプリング レート 以外にも、スプリング の性格を左右するものがある。 それは スプリングの品質だ。 多くの人はスプリングは どれも同じだと思っていると思うけど、それは違う。 どの製品でも同じ様に バネ鋼 の素材を 熱して成形しているけど、バネ鋼の材質と成形処理の緻密さ、そして 完成後の製品検査のレベルでその品質は大きく違うもの。

実際、僕は色々な メーカーのスプリングに出逢ってきたけど、一番のお気に入りは、成形後の検査がとても厳格なので、検査で合格する製品の歩留まりが 2割程度と言われる“ハイパーコイルズ社 ” のスプリングだ。 微少なストローク時から感触が違い、同じ道を走っても、これを装着すると ロールスロイスの様に(乗った事無し、イメージで)しっとりと湿った様な滑らかな感触になるから不思議だ。
  
 



『 オーリンズ専用、黄色いスプリング 』

オーリンズ製品専用スプリング で 困った事は、その色・黄色ではなく、独自の 内径(スプリング内側の直径)規格の製品を採用している事だ。  一般的に、殆どの 社外製ユニットメーカーは、共通規格の 内径のスプリングを装着できる様になっているのと較べれば、オーリンズはずっと小さい内径のスプリングで独自路線を目指しているのだ。

先に書いたように、スプリングの品質でユニットの性能の多くが決まるけど、専用のあの黄色いスプリングの品質は “並” ・一般レベルの感触で満足できず、他社製スプリングへ交換を決断したので加工が必要になった。 変更するスプリングの内径に合わせて、リテーナー(台座)という部品を設計・製作して、同時に、スラストベアリングが装着できる様にして、スプリングの性能を充分に発揮できる様にストレス対策も可能になったのだ。





http://gra-npo.org/policy/yokai_column/list_youkai_column.html#garage

 


ヘルメットの弊害 Harm of helmet

2020-01-03 22:48:09 | Webサイト 作成日記

オートバイを走らせている時、四輪ドライバーとの意志疎通感が薄く、時に疎外・迫害されている感覚を覚えた経験は、多くのライダーに少なからずあるだろう。
    
その原因について、“ ヒジャブ効果 ” を例に考えてみました。 
    
( 妖怪のつぶやき  より )

http://gra-npo.org/policy/yokai_column/column/harm_of_helmet/harmofhelmet.html

 


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< 以下、一部転載します >

一般道を走る機会の多いライダーなら、何度か経験した事があるだろう
四輪車のドライバーと意思疎通感が薄く、時に疎外・迫害されている感覚を
もしかしたら、それはヘルメットの弊害かも知れない

安全の為に義務化されているから、と思って見過ごす前に、
ヘルメットが原因で、知らない内に社会から浮いている事実を考えたい

  
 
 
『 反応の違い 』

僕は、街中でモラルに欠けた行為を見掛けると、リスクを計算の上で、その人に注意する事が多い。歩きながらの喫煙している人や吸い殻のポイ捨てした人、歩道の上で駐車している人や運転中に携帯やスマホを使っている人にもだ。
    
しかし、最近、注意しても聞かないだけでなく、「あんた、何者」と言い返される事が多くなって悩んだ。そこで、その変化の原因を色々と考えたところ、一つは服装にありそうだと思いついた。


< 以降の記事は、公式Webサイトでご覧ください >
   

【 公式Webサイトコラム 】・『 ヘルメットの弊害 』
http://gra-npo.org/policy/yokai_column/column/harm_of_helmet/harmofhelmet.html