威風堂々

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「心」と向き合うことで、日々の健康を大切にしましょう!

カリタスカウンセリングの原理127

2023年12月23日 | 第九章 愛
生殖性

 人間が人間という種を保存するためには生殖活動が欠かせません。誤解を恐れずにいいますが、ある議員が「同性愛者は生産性がない」といったとか。これは、ある意味において正しいと思います。同じ「性」同士の交配はヒトでは成り立ちませんから、種の保存ができなくなるという意味合いにおいてです。40人いれば2人の割合で性同一性障害の確率が確かめられるそうです。ですから、一定数昔でいう、ホモセクシャルなヒトがいてもいいわけです。これは、太古の昔からでしょう。日本の歴史上の人物の中にも存在します。LGBTQ+ ですね。織田信長や早良親王。ただ、「生産性」がないのは、次世代へ遺伝子を残すという意味で使ったのならいいですが、「存在に意味がない」 というように使ったのならいけません。また、障害という診断がつきますが、これも、今の人権感覚、社会制度援助のもとでは仕方がないと私は考えます。いわゆる少数派が抑圧されてはいけませんが、現在はまだ、一般に理解が浸透していないので限界かなぁと感じます。
 さて、成長するとなぜか恋愛をし、自然と種の保存の法則に則った関係性をヒトはとります。そして、新しく目の前に現れ出でたる生命体を慈しみ育てるようになるわけです。海老や蟹の赤ちゃんもそうですが、人間の赤ちゃんもケースバイケースで命を落としたり、立派に成人したりと、個体別に種々の運命をたどります。幸不幸、運不運を経験してきた我々の遺伝子は、強いのか、そうあるように定められたか、選り抜かれたものだけだけが生き延びます。
 生むこと、育てることは必ず「慈しむ」気持ちがないとうまくいかないと思います。新しい生命を慈しんで育てるということを想像してみてください。

高校生ならわかってほしい4

2023年12月17日 | 支配と依存
 こうして書いていると次第にわかってくることがあります。
日本には紀元前にはユーラシア大陸に存在した、孔子やソクラテスや釈尊も存在せず、
キリスト、ムハンマド、ドストエフスキーなどのように世界中で語り継がれ研究される
人物も哲学も文芸も残されてはいません。
 伝統の空白は埋められません。
このような辺境の地、日本。地政学的にも歴史文化的にも辺境の地だったのですが、
それを自覚しないまま江戸幕府の終焉を迎え、急激に近代国家として成長したのです。
それが、1932年から始まる近代戦争の中で、「神風特攻」としての国家的作戦立案として
現れたのは象徴的な気がしています。
 もちろん、日清・日露でも肉弾三勇士など、
爆弾とともに人命を落とす作戦を賛美する風潮はありました。二百三高地砦の攻略など、
ただ、突撃しただけの無為無策の作戦でした。
 こうした一連の非人道的な作戦を美化する向きがありますが、笑止千万です。

 フランス人権宣言やアメリカの独立宣言を近代市民思想の原点とする西側諸国の価値観からすれば、
北朝鮮並みの感受性でしかありません。手段として悪趣味な殺人を行う戦争であっても、
自爆を肯定して敵を倒す作戦は外道の下なのです。なぜこんな作戦がまかり通ってしまうのか。
日本人には「真善美」の哲学が欠けていることが明確なわけです。

高校生ならわかってほしい3

2023年12月12日 | 支配と依存
さて、
神風特攻についてどう思いますか。
非人道的作戦とみるか聖戦作戦とみるか。昔よく、中東では映画館で流れるニュース映像として、米国艦隊に突っ込む戦闘機の映像に観客は拍手喝采だったと聞いたことがあります。大国USAに刃向かうアジア人国家として中東アラブの人はこういいう映像に勇気づけられていたという文脈です。

私は子どもの頃、聖なる作戦と解釈して神風特攻を解釈していました。しかし、ニーチェ、カント、ドストエフスキー、ソクラテス、イエス、キルゲゴール、夏目漱石など哲学との出会い、ビートルズ、黒沢明、チャップリン、落語、歌舞伎、文楽、オペラといった文芸に出会いながら、自分の思考・信条が形成されてくると、この神風特攻は非人道的作戦としか解釈し得なくなってきました。

宗教原理主義ではなく、国家の指揮命令で実践した訳です。どうして、こういう作戦が国家の命令の下に赦されたのかが不思議です。日本人の精神性を探るのには非常に有効なのではないでしょうか。海軍兵学校、陸軍大学校を出た軍事エリートの立案を、軍令部、参謀本部、大本営、おそらく統帥権のある天皇が許可したのです。