カリタスカウンセリングの原理 111
不信感
不信感はNegativeな感情として分類されるだろう。人を信じない、神仏を信じないというのだから実は困った感情である。私の娘は、中学生まで サンタクロースの存在を信じていたらしいが、あるとき祖母が弟に向かって「まだ信じているのか」と笑われた時が、一番ショックだったと語っている。とうの弟はけろりとしたもので、別に何も感じなかったといっている。つまり娘は、在るモノノの存在を信じて疑わなかったのに、全否定されることによって、今まで自分をその様に信じ込ませてきたものたちへの不信感を無意識に持つにいたる。同時に自分へのマイナス感情が発生するわけだ。
だが、以外と私は神を信じないとか、在るものの存在を信じない人でも信仰心を持っている人は多い。
夏目漱石に「こころ」という小説があるが、信頼、不信感というものを明治以降の日本人の心理構造を分析しつつよく描いている。末路はご存じのように自殺にいたってしまうわけだが。
親との繋がり。親友との縁。夫婦の繋がりなど、人間関係のバランスで不信感は良く発生すると感じる。さて、みなさんはどうお感じだろうか。
