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威風堂々

晴れ晴れと、伸びやかに日々を過ごすために。
「心」と向き合うことで、日々の健康を大切にしましょう!

小説にある誠実さ

2018年09月01日 | 文学・評論(現代・近代)


羊と鋼の森

今年映画となったこの作品。文部科学省選定だったようだ。

十分大人のお役所がご推薦する大人の温和しい内容である。これは私としては皮肉ではない。作品を私は最大限評価している。

主人公が自分を発見してゆく成長物語であり、不自然に人が死ぬわけでもなく、怖い事件が起きるわけでもない。正当派の文学である。私も読んだが、実に筆力もあり、内容も調律師として生きて行く主人公に「人間の成長の仕方」のモデルを見せられて、非常に有益な文学作品である。皆さんにも推薦できる書である。

主人公の生き方が、誠実である。登場人物がみんな誠実である。正直で公正? 成長するなら誠実になりたいものである。自分の正当性を押し通す為なら人を追い落とすことも是として、いろいろと腹を立てる見苦しさは排除したいと感じるがどうであろうか。


ちなみに著者は私の大学の同じ学科の後輩で、お互いは知らない(^_^)

私も頑張ろう。








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オリジン を読んだ

2018年08月27日 | 文学・評論(現代・近代)


最近は、論文を書くか、仕事で疲れているか、ちょっとした家事をするか、ゴルフの練習をするか、仕事のための勉強か、で楽しい読書は出来ていない。

そんな中で、ダン・ブラウンの『オリジン』を読んだ。ある友人に言わせると、ブラウンは宗教が嫌いで何か恨みがあるのか、と実に日本人的な感想を漏らす。

今回はAIが登場。スペイン王室とフランコ将軍。カトリック教会へのタブーを畏れない記述と、いつもの筆致で息をつかせず読み手を物語の渦中に引き込む。読後感としては「振り回された割には至極ごもっともな結論?」と感じたが如何であろうか。


タブーに挑戦する作家の姿勢にはいつも感動する。そして映画があるので「トム・ハンクス」とロバート・ラングドンがもう一致してしまって困る。僕の中ではマッチングしているので良いのだが。

1級のエンターテインメントには違いなく、おすすめの一冊デアはある。





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父親の尊厳

2018年08月16日 | 文学・評論(現代・近代)


父親の尊厳


結局はプライドのような気がする。実はたいしたことではないのだ。
しかし、結構拘る自分がいる。ただ、少々困ることが、、、。

父親はでーんと構えていないといけないようである。
去年だったか、直木賞作品『銀河鉄道の父』を読んで感じた。

主人公は宮澤賢治の父親。彼の心境で、賢治の家族のことが語られる。
私も父親なので思うところは多い。

私は、いつもデーンと構えることが出来ない。願望としては「構え」ていたい。しかし、根性がなく、弱い人間なので駄目である。

よくもここまで家内と一緒に二人の子どもを育ててきたなぁと思う。

『銀河鉄道の父』宮澤賢治を知っている人には良書である。是非一読をお勧めする。








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最近の読書

2018年01月27日 | 文学・評論(現代・近代)

最近読んでいる本

《おもかげ》浅田次郎
《魂の探求》ジョン・ヒック
《DNAに魂はあるか》F・クリック
《職業は武装解除》瀬谷ルミ子

など。

いずれも頭に記憶されてこない。だめだ。

岩波の「君はどう生きるか」は昔買って読んだんだが、再読しようと思ったら活字のちっさっさに愕然とした。昔は活字のサイズが小さかった。今このサイズに出会うとそれだけで「読む気が」すーっと消えて行くのですぅ。

《生き物をめぐる4つのなぜ》長谷川眞里子ってのも途中。

新書では、「バッタを倒しにアフリカへ」は面白い。作者の前野博士はスゴーく頭のいい人であり情熱家でいらっしゃる。ノンフィクションで久しぶりに抱腹絶倒であった。

《かがみの孤城》辻村深月 は中高生には最適なのではなかろうか。

で、やはりガンジーとかに代表される、自己中心にならずに「真理は1つ」なので色んな言説や生命の仕組みはあるがそれは真理に到達するべき方法論が沢山あるだけで、真理には優劣などなく、唯単に真理なのだと、「暴力」に頼らず(多少使うときはあろうが)自らがその生き方を実践する人の登場を期待してしまう。今の時代だからこそ。






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漱石先生 21

2016年07月16日 | 文学・評論(現代・近代)


漱石先生を探る事は今の日本にとって大変重要だと思います。

さて、生育歴から


慶応3年 生後まもなく四谷の古道具商のもとに里子に出される。

この時代は生まれたてで里子に出される例は珍しくはない。私の父方の祖父も幼くして父(私にとっては曾祖父)に死なれ養子に出ている。漱石はどうも、姉たちが夜見世でぞんざいに扱われる弟を可哀想に感じて、実父母に様子を訴えて実家に戻して貰っている。元々「四十過ぎて生まれた子で、」母親が世間体をはばかったとか言われている。が、真実は分からない。

慶応4年1歳の時、名主塩原家へ養子に出される。父塩原昌之助(29)母 やす(29)四谷大宗寺門前(新宿二丁目)

3歳の時、種痘(天然痘予防接種)が原因で疱瘡(天然痘)にかかる。その後顔には生涯あばたが残って、多分嫌な想いをしたと思われる。

塩原は内藤新宿に引っ越し、妓楼「伊豆橋」の管理にあたる。ここは漱石の母千枝の上の姉、久 が経営していた。


名主階級であるが、落語なんかによくでくる。庄屋さん、家主さんといった感じかなぁと思っています。小地域を治める自治会長さん的存在で、ま、無宿人、博徒に睨みをきかせ、長屋の平安を守り、奉行所にはなにかれとなく報連相。

漱石の「寄席好き」ってのもこの生育歴から腑に落ちるものがあります。芸子さん、太鼓持ち、大道芸人とか間近に接していたと思われます。現代より直接的ですから、身体障害、性同一性障害、発達障害(現代では”障害”という用語使いにはなりますが、、、)という人たちは「芸人」家業をやってたんで、関わりはあったのかな、と。四谷、新宿界隈の名主ってどんな感じだったんでしょうね。ま、下町だったのかなぁ。お城の西側だしね。まだまだ未開発エリアだっと想像できます。江戸川練馬足立板橋世田谷なんざ江戸の範疇ではなかったと思いますし。でも、新政府になって「どうなるんだろう」と不安感一杯の階層だった事は事実でしょう。戸長という職務に移行されて行くんですが、時代の荒波にもまれて行くのは現代社会と同じです。

明治7年 養父が旧幕臣の寡婦 日根野かつ と通じ、夫婦仲が悪くなります。漱石7歳。結構漱石の心理に影響はあったと思います。






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