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アップルが育てた「怪物」サムスン電子

2012年12月14日 22時55分15秒 | Weblog
韓国大手紙・朝鮮日報12年12月11日記事抜粋
株価一時150万ウォン突破
 アップルのスマートフォン(多機能携帯電話端末)市場での戦略が、サムスン電子という強力なライバルを育てる自殺行為になったとの指摘が相次いでいる。アップルがスマートフォン市場をサムスンになすすべなく明け渡している点も、分析の正しさを示唆している。昨年第4四半期(10-12月)に両社のシェアは23%で並んでいたが、今年第3四半期(7-9月)にはサムスン34%、アップル16%と圧倒的な差が付いた。サムスン電子の株価は12月10日、取引時間内としては初めて150万ウォン(約11万4000円)の大台を突破した。
 米国ハーバード大ビジネススクールのジェームズ・オルワース研究員は最近、情報技術(IT)専門メディアに「サムスン電子がアップルに与える実際の脅威」と題するコラムを投稿し「アップルにとって本当の脅威はサムスンによるデザインのまねではなく、アップルがサムスンから部品などを調達している点だ」と主張した。アップルがサムスンに生産委託する過程でさまざまな経営ノウハウが伝わり、サムスンの成功に寄与したとの指摘だ。アップルはスマートフォンの頭脳に当たるアプリケーションプロセッサー(AP)をはじめ、主な部品をサムスンから調達している。
 モバイル・電子専門メディアのBGRは「アップルがサムスンをフランケンシュタインの怪物に育て上げた」と報じた。
 専門家は、アップルがAPをサムスンに全て生産委託している現在の体制が、iPhoneの戦略の相当部分がサムスン側に漏れる結果を招いていると指摘した。業界関係者は「アップルが構想している次世代スマートフォンの青写真が事前にサムスンに知られてしまう構造だ」と話す。
 これはアップルが推進してきたアウトソーシング生産の皮肉だ。アップルはこれまで、自社工場を持たずにiPhoneやiPadの生産を低コストで外部に委託する方式を取ってきた。人件費や生産委託先の利ざやを削ることで40%近い営業利益率を上げたこともある。
■自殺行為になったアップルの戦略
 アップルが昨年4月、サムスンを相手取り起こした特許訴訟も予想外の結果を生んでいるようだ。業界は一連の訴訟が全世界の消費者の間でサムスンのブランド知名度を高める結果を招いたとみている。
 サムスン電子は今年、米経済誌フォーブスが発表した世界の有力ブランドで12位に入った。昨年の35位から23ランクも躍進した。アップルは裁判でサムスンの躍進を阻もうとしたが、逆にアップルがサムスンと同一レベルのライバルだということを印象づけてしまった。
 アップルの訴訟攻勢は、サムスンに以前とは異なる製品を開発させる一種の触媒としても働いた。「ギャラクシーS3」はアップルが訴訟を起こした昨年4月以降に企画された製品だ。訴訟を避けるために外観の差別化を図り、さまざまな人体認識機能を搭載したのが特徴だ。S3は5カ月で3000万台が売れた。
 アップルは今年発売した新型iPad、iPhone5が既存モデルの改良にすぎないとの評価を受けた。高麗大のチョ・ミョンヒョン教授(経営学)は「生産を全て外部委託し、訴訟で後発メーカーをけん制するという戦略は、アップルが革新的な製品を引き続き開発するという前提で可能となる。新製品で差をつけることに失敗し、アップルが市場で押されている」と分析した。
 サムスン電子の株価は10日、先週末に比べ0.7%高の149万1000ウォンで引けた。終値ベースでも過去最高値だった。取引開始直後には過去最高値となる150万6000ウォンまで買われる場面もあった。信栄証券のイム・ドリ研究員は「サムスン電子がアップルの代わりにシェアを伸ばし、アップルの株価が下落する一方でサムスンの株価は上昇基調に乗っている」と分析した。






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