シニア花井の韓国余話

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20代後半が直面する就職氷河期

2012年12月14日 23時56分21秒 | Weblog
韓国大手紙・朝鮮日報12年12月11日記事抜粋
 公務員試験の準備をしているイ・ジョンミンさん(28・仮名)は新年を迎えるのが怖い。時間があっという間に過ぎる中、就職できないままでは家族に合わせる顔がない。ソウルの私立大を2年前に卒業したイさんは大学4年のときから銀行、大企業など22カ所に応募したがいずれも不採用。イさんは「新聞には高卒者でも銀行など良い職場に入る人が多いと書いてあるが、自分はなぜこうなのか分からない」と嘆いた。
 韓国経済の若き活力となるべき20代後半(25-29歳)の青年が働き口を見つけられないまま、雇用市場の厳しい北風に吹かれている。雇用市場全体では世界的な景気低迷の中でも毎月40万人分の雇用機会が生まれているが、20代後半の求人だけは減少しており、今年後半になってさらに情勢は悪化している。20代後半は「就職の崖」に直面している格好だ。
 統計庁によると、20代後半の就業者数は今年5月に前年同月比で11万6000人減少して以降、10月まで6カ月連続で10万人以上の減少が続いている。これはアジア通貨危機当時の15カ月(1998年2月-99年4月)に次ぐ長さだ。
■サンドイッチ状態の20代後半
 10月にはほかの全ての年齢層で就業者数が増えたが、20代だけは9万4000人減少。中でも20代前半(20-24歳)は7万7000人増えたが、20代後半(25-29歳)は17万1000人の大幅減となった。
 20代後半の雇用低迷の原因として「サンドイッチ効果」が挙げられている。昨年から銀行を中心に高卒者の採用が拡大され、20代前半の就業者が増えた。企画財政部(省)によると、産業銀行など公共機関の高卒者採用は、昨年の500人前後から今年は今年5倍の2508人に増えた。さらに大企業は最近、即戦力となる30代前半の経験者を好む傾向がある。大卒者を採用するよりも経験豊富な30代の経験者をスカウトし、空きポストを埋めた方がよいとの考えだ。10月には30代の就業者数が1年前に比べ2万7000人増えた。
大企業の人事担当者は「不況の影響もあり、大規模な大卒採用を行うのではなく、必要に応じて経験者を採用する動きが広がっている」と話した。企画財政部のキム・ボムソク人的資源政策課長は「高卒・専門大学卒業が多い20代前半と経験者中心の30代前半で雇用が増え、大卒男性が多い20代後半の働き口を侵食している」と指摘した。
■金融機関のリストラが直撃
 大卒男性が好む金融業界のリストラも、20代後半の雇用に衝撃を与えている。業績が悪化した銀行、保険、証券業界は今年、新規採用を減らし、既存社員を対象としたリストラに乗り出している。韓国シティバンクは12月初めに199人を希望退職で削減する方針を示す一方、毎年100人前後行っていた新規採用の中止を決めた。新韓銀行、サムスン火災、サムスンカードも今年、希望退職を募集した。前出のキム課長は「銀行、保険、クレジットカードなど金融業界のリストラで最も大きな打撃を受けた年齢層が、定期採用の応募資格があった20代後半だ」と指摘した。
 休学する学生が100万人に迫り、就職しようとする20代後半が減少しているとの見方もある。現代経済研究院のイ・ジュンヒョプ研究委員は「新規採用市場が冷え込む中、1-2年就職活動をしたものの、留学や大学院進学を決める人が増えているとみられる」と分析した。
 20代後半の雇用氷河期は今後も続く可能性が高い。景気低迷が長期化するほど、人件費を重荷に感じる企業は賃金が低い高卒者の採用を増やす。さらに熟練が必要なポストには最低限の経歴を持つ人材を雇用する傾向を強めるとみられる。
 租税研究院のパク・チン公共機関研究センター長は「公共機関の高卒、大卒社員の労働生産性を比較すると、学力による明らかな違いは見られない。高卒の学力があれば十分にこなせる高卒向け求人を増やし、大学を卒業しても就職は難しいという認識が広まることが大切だ」と指摘した。



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