シニア花井の韓国余話

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韓国の産婦人科は危機的状況、男性医師は急減

2012年05月16日 17時49分16秒 | Weblog
韓国大手紙・朝鮮日報12年5月13日記事抜粋
カン・チュング分娩病院協会会長
 今年、韓国で新たに誕生した男性の産婦人科専門医が10人にとどまるなど、産婦人科が危機に直面している。一部の産婦人科医師たちは、分娩(ぶんべん)事故や訴訟問題による極度のストレスに耐えられず、酒を飲まなければ眠れなかったり、ひどい場合は自殺に至ったりするケースもある。
 大韓分娩病院協会のカン・チュング会長(山本第一病院院長)は「分娩可能な病院が全国で毎年60-90カ所ほど閉鎖され、そのうちの80%は、妊婦が通いやすい地域の産婦人科病院だ。出産インフラが崩壊するという状況に直面している」と話した。
 カン会長はさらに「政府が無過失の分娩事故に対しても補償金の30%を産婦人科に請求することにしたため、厳しい環境の中で分娩を行ってきた産婦人科医師たちは、もう爆発の一歩手前だ」と話した。
 分娩病院協会は、地域の産婦人科病院と分娩専門病院約250カ所が加盟する団体だ。カン会長は、過去15年間にわたり京畿道で分娩病院を運営してきた。
―医療紛争は産婦人科にどんな影響を及ぼしているか?
 「分娩の現場では、産婦や新生児に障害が生じたり、命の危険を伴ったりするような予期せぬケースが、時々起こる。さらに最近は高齢出産や体外受精、双生児の妊娠が多く、ハイリスク妊婦が多い。統計上、1万件に1人の割合で産婦や新生児の死亡が起こる。そのような過程で患者側との対立が生じ、補償問題に苦しめば、誰でも自殺を考えるほど疲弊してしまう。おそらく医師のうち、自殺者の最も多い分野が産婦人科だろう。毎年1、2人ずつ(自殺者が)出ている。命の誕生を扱う職業なのに皮肉なことだ。徹夜をしながら新生児を取り上げ、病院経営の収支を改善しようとしてきても、死亡補償金で一度に全て出ていってしまう」
―昨年、分娩医療点数が50%引き上げられたが?
 「分娩を1カ月に30―50件以上扱う病院はそれでも大丈夫だ。しかし分娩病院の60%が1カ月に10件も扱っていない。365日24時間分娩室を稼働させるには、少なくとも医師2人(2交代)、看護師8人(3交代)、夜間勤務職員、調理要員など多くの人材が必要だ。新生児室も稼働させなければならない。産婦人科は産婦と胎児という2人の命を同時に扱う。現行の自然分娩報酬27万ウォン(約1万9000円)では、経営が難しい。夜間や休日勤務、緊急診療に対する補償もない」
―産婦人科医師の募集も難しそうだが。
 「男性医師はほとんど見つからない。今後さらに厳しくなるだろう。今年すでにソウル大学付属病院では産婦人科専攻の3人、延世大で3人、高麗大で2人、ソウル牙山病院では2人など、全国の主な病院で若い医師たちが産婦人科研修を諦めた。産婦人科脱出現象だ。毎年、専攻医のうち10-20%が産婦人科医を目指して入ってくるが、途中でやめてしまう。韓国も日本のように東南アジアから産婦人科医を『輸入』しようという話が出てくるだろう」
―政府に求めることは?
「出産インフラ構築を社会のセーフティーネットとして扱ってほしい。火災や犯罪がなくても消防士や警察官には人件費を与え、緊急事態に備えている。分娩医師や病院がなくなれば、誰が責任を持つのか。結局国民が被害を受けることになる。まず地域の中小規模の分娩病院に対する支援が急務だ。現在ある産婦人科だけでも何とか生かすべきではないか」


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