シニア花井の韓国余話

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韓国の造船大手が迎えた「脱・造船」元年

2012年01月18日 23時19分56秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.15記事抜粋)
景気の影響少ない掘削船など、今年の受注割合70-80%予想
 大宇造船海洋の南相兌(ナム・サンテ)社長は、昨年末の記者会見で「2012年は全受注額に占める海洋プラントの割合が70-80%に上る」と発言し、周囲を驚かせた。昨年、海洋プラントの割合が40%台だったことを考慮すると、急激な変化といえる。これは、何も大宇造船海洋に限ったことではない。造船業界では今年、掘削船のような海洋プラントが受注に占める割合は3分の2に上るとの見通しが示されている。海洋プラントとは、海底下の原油やガスを開発するのに必要な海洋設備のことで、掘削船やFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)などが代表的だ。
 造船業界が1月4日に発表したところによると、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の「大手3社」の今年の受注目標総額は471億ドル(約3兆6200億円)に上る。これは、昨年の受注額(499億ドル=約3兆8400億円)と比較してそれほど大差のない額だ。
 造船・海運業が世界的な不況に陥っているにもかかわらず、受注目標額が大幅に下方修正されなかった理由は、300億ドル(約2兆3000億円)以上の海洋プラントによる受注が見込まれているからだ。一部では、今年は韓国造船産業の「脱造船」が本格化する年になるとの見方もある。
■景気不況にも原油価格は高止まり
 金融危機が到来する2008年以前は、全受注額に占める海洋プラントの割合が20-30%台にすぎなかった。だがそれ以降、造船海運業の景気が下火となり、一般の船舶発注が急減したことで、代わりに海洋プラントの占める割合が徐々に増えていった。現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の昨年の全受注額に占める海洋プラントの割合は、それぞれ57%、63%、43%だった。今年は海洋プラントの占める割合がさらに高まる見通しだ。今年上半期には、オーストラリア、ナイジェリア、ロシア、ベトナムなどで140億ドル(約1兆700億円)前後の海底原油・ガス開発用海洋プラントの発注が相次ぐものと予想されている。このため、プロジェクトごとに「大手3社」が手を伸ばし、国内メーカー間での受注競争を展開する構図となっている。景気不況に影響されない海洋プラントの発注は、高止まりを見せる原油価格と深い関係がある。巨大資本の石油会社が海洋プラントを発注するためには原油価格が1バレル当たり80ドル(約6100円)を突破しなければならない。このラインを下回ると、海で原油を採取するコストを差し引いた場合、赤字になってしまう。1月3日(現地時間)現在、米国テキサス産を基準とする国際原油価格は1バレル当たり103ドル(約7900円)となっている。これが、世界経済の不確実性とは裏腹に、大手石油会社が引き続き海洋プラントの発注に乗り出すと予想される理由だ。
■バルク船・コンテナ船など一般商船は相変らず不況
 一方、一般商船は、海洋プラントとは違って金融危機による影響を今後も受け続ける見込みだ。バルク船(鉄鋼・石炭・穀物運搬船)、タンカー船(原油など液体運搬船)、コンテナ船(工業生産品運搬船)などが代表的だ。一般商船のうち、製造中心の中小造船所の場合、今後は実績につなげにくいことが予想される。メリッツ証券のソ・ジョンドク研究員は「一般商船分野の不況はあまりにも厳しく、国内造船所の海洋プラントへの転換は避けられないだろう。原油価格が1バレル当たり100ドル(約7700円)前後の水準を維持するなら、しばらくは海洋プラントの発注量に頼るほかないだろう」と話した。


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