シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

「喫煙者天国」ソウルに広がる禁煙マナー

2012年01月19日 11時21分18秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.15記事抜粋)
喫煙取り締まり現場を同行
外国人や一部の老人は困惑
「禁煙区域ということを知らなかった」と驚きの声
「30年間ここでタバコを吸ってきたが罰金とは何事か」と抗議
市民のほとんどは禁煙文化に適応 ― 広場や公園を回ったがタバコ吸う人はほとんど見られず
 「清渓広場は禁煙区域に指定されているんですが、ご存知ないですか」
 12月30日午後、冬休みを迎えて家族や観光客たちでごった返す清渓広場(ソウル市鍾路区)を訪れたところ、30代の男性がタバコに火を付けているのを見掛け、記者が近付いて質問した。30代の男性は、おぼろげなハングルで「日本人です」と答えた。東京で中学校の教師として勤務しているというタカフミさん(32)は、今度は英語で「広場が禁煙区域に指定されているということを全く知らなかった」とあわてた。
 ソウル市は昨年3月、主な広場をはじめ9月には公園、12月には中央車線にあるバスの停留所を禁煙区域として指定。3カ月間のキャンペーン期間を経て、取り締まりに乗り出した。キャンペーン期間が終わって以降、取り締まりに遭えば10万ウォン(約6700円)の反則金を支払わなければならない。
■清渓広場でタバコを吸う市民はいなかった
 タカフミさんを除いて清渓広場でくわえタバコをする人は見られなかった。ソウル市は現在、公務員とアルバイト生を使って広場別に取り締まりのための人員を3人ずつ配置している。
 清渓広場で勤務中だった鐘路警察署所属の機動隊員は「外国人観光客がたまにタバコを吸うが、ソウル市民は広場ではない歩道(非禁煙区域)でタバコを吸う程度」と話した。
 記者は12月30日に清渓広場をはじめ3大広場を取材し、12月29日には南山公園で取り締まり委員と共に喫煙の取り締まりに同行した。1月2日にも中央車線のバス停留所でタバコを吸う人がいるかどうか見回ったが、3日間で禁煙区域で喫煙した人は日本人観光客のタカフミさんだけだった。
 ソウル市が昨年6月から10万ウォンの反則金の支払いを義務付ける力強い禁煙政策を展開したことで、徐々に禁煙文化が定着してきているのを感じた。
■南山公園でもタバコを吸う人は見られず
 12月29日には、南山公園の中部公園緑地事業所のイ・ドンホン喫煙取り締まり担当(35)と共に、南山公園の噴水から中央階段、蚕頭峰フォト・アイランド、八角亭を回り、南山の南側に位置した循環路に沿って約2.5キロ区間を2時間以上、歩いた。中部公園緑地事業所では、イ担当をはじめ午前と午後に2人ずつ、計2つのグループが12月から南山公園での喫煙取り締まりを行っていた。
 気温がマイナスに落ち込んでも、南山公園は登山客や外国人観光客であふれ返っていた。公園の至る所に禁煙区域であることを知らせる掲示物が掲載されていた。イ担当は、愛煙家がタバコを吸いそうな場所を予想して回った。
 イ担当は「取り締まりの最中に喫煙者を見つけたら、すぐ走っていって真正面から顔写真を撮る。この時怒り出す喫煙者もいる」と話した。数日前、公園によく散歩しに来るおじいさんがタバコを吸おうとしていたため、「今後はここでタバコを吸ったら罰金10万ウォンを支払わなければなりません」と忠告すると、酒に酔ったおじいさんは大声で「30年以上もここでタバコを吸ってきたが、罰金とは何事か」と逆に抗議した。
■中央車線のバス停留所はキャンペーン期間中
 ソウル市は、314カ所に上る中央車線のバス停留所でも、12月から禁煙区域に指定されたということを広報している。今年3月からは中央車線のバス停留所でも喫煙した場合には、反則金の支払いが求められる。1月2日午前、崇礼門近くの中央車線のバス停留所で1時間近く見守っていたが、タバコを吸う人は一人もいなかった。禁煙を呼び掛ける広告看板は、バスの停留所1カ所につき6つも掲示されていた。停留所で出会ったイ・ウニョンさん(29)は「中央車線のバス停留所も禁煙区域に指定されていたなんて知らなかった。すべての年齢層が使用する空間であるだけに統制は必要だと思う」と話した。
 禁煙区域が増えたことで今では取締委員が足りず、担当者の苦労は絶えない。昨年8月から1日4時間の取り締まりを行っているソウル市の職員は「広場には日陰がなく、夏の取り締まりは汗でびっしょりになり、顔が真っ黒になるので、UV(紫外線)カットのクリームなどを使っている。取り締まりの最中に反則金の話を持ち出すと、急にシラを切ったり逃げ出したりするケースもたびたびあった」と話した。しかし、愛煙家たちは、最近ソウル市議会が路上での喫煙までも取り締まる条例の制定を進めているのに対し「やり過ぎではないか」との反応を見せている。
 韓国禁煙運動協議会のソ・ホングァン会長は「20-30年前まではバスの中でもタバコを吸っていたが、今では到底考えることができないぐらいに状況は激変した」と説明した。




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