シニア花井の韓国余話

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230億円の国費投じた「生態村」、観光客なく赤字累積

2012年05月14日 22時15分28秒 | Weblog
韓国大手紙・朝鮮日報12年5月11日記事抜粋
韓国国内270カ所に生態村を作った山林庁
観光客なく赤字累積…ペンションはお化け屋敷に
 昨年2月、京畿道楊平郡のある山村の畑の真ん中に、木造のペンション5棟とバスケットボールのコート、野外ステージが建設された。周りには松の木などを植えて景観も整えた。総額12億ウォン(現在のレートで約8400万円、以下同じ)の予算が投入されたこの場所の名は「山村生態村」。しかし、周囲に川や渓谷もない畑の真ん中に建てられたこのペンションを訪れる観光客はほとんどおらず、すぐに開店休業状態となった。
 運営を引き受けた住民たちは、高額の維持費を負担できず、ペンションの部屋を第三者に月決めで貸し出すという違法な賃貸を行ったが、冬場の隙間風がひどく、借りた人間もすぐにペンションを離れた。
 山林庁は1997年から昨年まで毎年300億-400億ウォン(約21億-28億円)、総額3364億ウォン(約235億円)を投じて、韓国各地にこうした山村生態村を計270カ所も造成した。
 観光客を呼び込んで山村の住民の所得を高めるというのが表向きの理由だった。しかし国民権益委員会が今年2月から3月にかけて、比較的新しい16カ所の生態村をサンプル調査したところ、10カ所(63%)は観光客誘致に失敗して事実上赤字を出しており、6カ所(38%)は赤字に耐えられず、ペンションやステージ施設を放置していることが判明した。
 3000億ウォン(約210億円)を越える予算のほとんどが、山奥に埋もれているも同然というわけだ。権益委の関係者は「調査した生態村16カ所は、07年から11年にかけて造成され、施設は比較的きれいだった。06年より前に造成されたところは、放置されている可能性がさらに高い」と語った。
京畿道楊平郡の別の場所では、10年に16億ウォン(約1億1200万円)を投じて山村生態村が作られた。ペンション2棟とドライブインシアター、スポーツジムまで備えた最新型の生態村だった。
 周囲には渓谷が多く立地条件も良かったが、訪れる客はなく、電気代・水道代を払えなくなった。住民たちは最近、数千万ウォン(1000万ウォン=約70万円)を受け取って民間のペンション業者に建物や劇場を違法に賃貸した。権益委の関係者は「住民の金ではなく国庫金で建てられたペンションだったため、広報・運営がほとんどなされなかった」と語った。
 忠清南道礼山郡のある生態村は、山菜の貯蔵用として設置された低温貯蔵庫を、民間業者に肉類の貯蔵所として貸し出した。江原道麟蹄郡の生態村は、山菜栽培のために設置されたビニールハウスを、全て外部の人間に貸し出した。また忠清南道牙山市のある生態村の場合、4億5000万ウォン(約3100万円)を投じたペンションが放置されており、屋内の施設もひどく壊れ、ペンションが村の「お化け屋敷」と化していることが調査の結果分かった。さらに江原道楊口郡のある生態村(建設費約13億ウォン=約9100万円)は、休戦ラインに隣接した奥地にあり、インターネットを用いたPRが必要な場所だったが、住民のほとんどが60歳以上の高齢者で、インターネットのホームページを作れる人がいなかった。住民たちは「誰も来ないペンションを建て、無駄に金を使った」と話し、現在は生態村の廃止を要求しているという。
 その一方、収益が出ているにもかかわらず、不透明な会計処理のため、住民たちに配当金が回ってこないケースもあった。忠清南道牙山市の松岳山付近にある生態村は、年間3000万-4000万ウォン(約210万-280万円)の収益を上げているが、住民たちには全く還元されていないことが判明した。
権益委の関係者は「村の里長など運営陣は、暖房費など維持費が掛かるため金が残らなかったと釈明しているが、支出に伴う領収証を全く残しておらず、確認できなかった」と語った。




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