シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

中国が税関検査強化、運び屋商売上がったり

2012年01月08日 10時36分51秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.3記事抜粋)
 12月19日午後、京畿道南部の平沢港国際旅客ターミナルの待合室で出会ったKさん(63)は、汚れた髪もそのままに、首に風呂敷を下げ、そばには雨具が置かれていた。Kさんはこれまで韓国と中国を行き来する運び屋の商売を行い、旅館や船中で寝ることができた。しかし、1カ月前から運び屋の仕事がなくなり、野宿生活を送っている。Kさんは「こんな真冬に仕事を切られるなんて」と嘆いた。
 午後5時半になると、同ターミナルには、中国・連雲港からCKスター号が入港し、入国手続きが始まった。ここでは2カ月前まで、運び屋商売の人たちが大荷物を抱えて列を成していた。
 しかし、この日は運び屋の人たちの姿をほとんど見かけなかった。みすぼらしい身なりに小さなかばんを手にした中国人観光客の姿がちらほら目に付くだけだた。CKスター号で食堂を運営するチョン・ヨンスンさん(54)は「出港のたびに300人でごった返していた船が静かだ。運び屋の人たちの足はぱったり途絶えた」と話した。
■背景に韓中の検査強化合戦
 運び屋商売人が姿を消したんは、韓国税関が先月、中国産農産物の通関検査を強化し、これに対抗する形で、中国税関が衣料や食料品などの通関拒否という報復措置を取ったためだ。中国・連雲港税関は、既に先月2日から韓国の運び屋商売人の貨物通関を全面的に拒否している。
 これにより、仁川港、平沢港、群山港などを経由し、中国との間を往来する約5300人の運び屋の人たちは生計が苦しくなった。平沢港小貿易連合会によると、運び屋商売人による貿易規模は、工業製品が年間1兆1670億ウォン(約785億円)、農産物は1617億ウォン(約109億円)と推定されている。
 中国側は、国税庁直轄の平沢税関が昨年11月3日から中国産農産物の違法持ち込みを原則に基づき徹底検査していることを問題視している。これまでは、運び屋のために黙認してきたが、法令に基づけば、販売目的での持ち込みは違法だ。農産物は1品目当たり5キログラムまでしか持ち込めない。11月だけで約300人の運び屋商売人が平沢税関で事情を聴かれた。
 韓国側の措置が中国側を刺激した。韓国の運び屋が現地で中国産農産物を購入しないため、運び屋に農産物を卸していた現地の商人が被害を受けたからだ。
■中国税関の報復
 中国税関は報復措置として、韓国の運び屋が中国での販売目的で持ち込む衣服、コーヒー、壁紙などの商品の通関を全面的に拒否することを決めた。遼寧省の丹東港と大連港では11月17日から、天津港では同24日から、江蘇省の連雲港では12月2日から通関拒否が始まった。このほか、山東省の威海港、栄成港、日照港でも来年1月1日から同様の措置が取られる。
 中国税関の報復で運び屋の人たちは生活が苦しくなった。2009年から韓中間を往来しているキム・ヨングンさん(69)は、家賃13万ウォン(約8700円)の間借り物件で暖房をつけられずにいる。キムさんは中国が報復措置を取るまで、韓国と中国を週2回往復し、週に34万ウォン(約2万3000円)を稼いでいた。キムさんはその収入で暖房代と食費を賄っていた。しかし、仕事がなくなった現在、ガス代どころか、食費にも困る状況に陥った。キムさんは「この冬を乗り切るのもつらい」と嘆いた。


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