シニア花井の韓国余話

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韓国ファッション業界に欧州ブランド買収ブーム 

2012年01月24日 20時20分55秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.22記事抜粋)
 韓国のファッション・流通企業がイタリアやフランスのファッションブランドの買収に本格的に乗り出している。大企業だけでなく、中小のファッション・流通企業までがその流れに加勢しているほか、海外ブランドの韓国での営業権や販売ライセンスを取得するだけでなく、ブランド本社を丸ごと買収するケースも相次いでいる。
 欧州の財政危機と不況が続く中、手ごろな値段で売りに出されているファッション企業も少なくないことから、世界市場への進出を目指す韓国のファッション企業にとっては大きなチャンスと言える。業界専門家は「欧州のファッション企業にとっては、海外企業の安定した資金力でブランドを存続させることができ、韓国企業は欧州の高級ブランドを傘下に収めることで、影響力を高めることができる。まさに(相互に利益をもたらす)ウィンウィンの戦略だ」と指摘した。
■欧州ファッション業界で台頭する韓国
 衣類流通を手掛ける中小企業、アンドプラス21は最近、イタリアのバッグブランド「シークレット・ポンポン」を250万ユーロ(約2億4,300万円)で買収した。これまではライセンス契約で営業してきたが、本社を丸ごと買収した格好だ。また、韓国の中堅ファッション企業EXRは昨年9月、フランスのデザイナーブランド「カステルバジャック」を120億ウォン(約8億円)で買収した。業界でこれらのケースが話題になったのは、大企業ではなく、中小企業が海外の有名ブランドを買収したからだ。
 韓国の大企業による海外ブランド買収の動きは既に本格化している。イーランドが昨年7月、イタリアのバッグ専門ブランド「マンダリナ・ダック」を買収。続いて、第一毛織も昨年11月、イタリアの高級ワニ革ブランド「コロンボ・ビア・デラ・スピガ」を買収し、話題になった。
 LGファッションも最近、イタリアの男性衣料ブランドの買収を完了し、現地支社の設立を進めている。コーロンインダストリーのFnC部門は男性衣料、スポーツウエアなどの分野で買収候補を模索中で、今後も海外ブランドのM&A(合併・買収)は増える見込みだ。
■新興市場進出に向けブランド力を強化
 韓国企業が相次いで海外ブランドを買収するのはなぜか。欧州ブランドが資金難にあえいでいるため、買収の好機にあることが挙げられる。世界的な金融危機から完全に脱却する間もなく押し寄せた欧州財政危機で、経営難に直面している欧州ブランドは少なくない。このため、ブランドの知名度は高いが、売りに出される価格はかなりディスカウントされている。実際に、イーランドが買収したマンダリナ・ダックは、3年前に他社が買収した価格に比べ、100億ウォン(約6億7000万円)以上安かった。
 さらに、世界市場で韓国企業の地位を一気に高めることができる点も魅力だ。サムスンファッション研究所のキム・ジョンヒ・チーム長は「欧州ブランドは保守的な欧州ファッション市場で現地の流通網に食い込む足掛かりになる」と指摘した。
 ブランド市場が爆発的に成長している中国などアジア市場を攻略する狙いもある。世界市場で認知度が低い韓国ブランドだけでは、中国市場を攻略する上で力不足だ。このため、中国の流通業者を相手に企業説明会を開く際にも、海外ブランドを保有していることが信頼性を高める上で役立つという。
 LGファッションの関係者は「特に中国では『○○というブランドを保有している』と言って会社を売り込み、流通網に食い込んでいる」と話した。
 欧州のファッションブランドを買収し、世界的ブランドへと成長した海外の事例も韓国企業を刺激している。過去10年間で、英国の革製品ブランド「マルベリー」をシンガポール企業が、ドイツのファッションブランド「エスカーダ」をインド企業が、フランスの「ランバン」は台湾企業がそれぞれ買収し、世界的企業へと育て上げた。その次なるバトンは韓国の手に渡りそうだ。





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