シニア花井の韓国余話

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朝鮮半島の統一、中国の立場は?

2012年01月24日 22時22分19秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.23記事抜粋)
朱鋒・北京大教授インタビュー
「韓半島(朝鮮半島)の統一に対する歴史的な選択は終わった。歴史は北朝鮮ではなく韓国を選択した。中国の立場で最大の関心事は、統一の過程で韓国が中国の安全保障上の利益をどれだけ尊重するかだ」
 北京大の朱鋒・国際関係学院教授は12月29日、本紙のインタビューに応じ「韓国は周辺国に統一後の北東アジアの安全保障に関するビジョンを示すべきだ」と訴えた。朱教授は金正日(キム・ジョンイル)総書記死去後の韓半島情勢について「社会主義国の最高指導者の死は大きな変化をもたらすケースが多かった。6カ国協議の当事者は、北朝鮮の核放棄と改革開放に向け、第2のジュネーブ合意を準備すべきだ」と述べた。朱教授は中国で代表的な知韓派として知られ、中国指導部の外交政策に助言を行う北京大国際戦略研究センターの副所長も務めている。
―中国は韓半島の統一に反対するとの見方が多い。
 「韓国主導の韓半島統一は既に議論の必要がない問題だ。それに関する歴史的な選択は終了した。中国の専門家の角度から言えば、最大の関心事は韓半島の統一過程で、韓国が中国の安全保障上の懸念を考慮し、相互協力の下で統一の道に向かうか否かだ。中国の利益が尊重されるかどうかということだ」
―韓半島の統一は、中国にどんな戦略的利益をもたらすか。
 「少なくとも北朝鮮の核兵器を除去する一つの方法になり得るという側面で、戦略的な利益がある。ただし、統一後の韓中関係については、(統一後の韓国を)脅威ととらえる見方が多い。統一後の韓国の規模は依然として中国に比べれば小さい。個人的には脅威という見方には同意しない。しかし、懸念する部分はある。(韓国の)民族主義心理が過度に高まり、(中国東北部の)間島地方などで領土紛争が起きる可能性がある点だ」
―統一以降の米軍駐留問題をどう見るか。
 「在韓米軍は減少するはずだ。現在は韓国戦争(朝鮮戦争)の時代とは異なる。先端兵器が使われる現代戦で、(米国が)在韓米軍を増強し、中国をけん制しても意味がない。米国はなぜオーストラリア北部のダーウィンに軍事基地を置いたのか。統一後の鴨緑江沿いに米軍を駐留させることは、米国の国益にかなわない。(中国と近い)韓半島に駐留する米軍は、有事の際に中国から壊滅的打撃を受ける可能性がある」
 「それでも中国国民が統一後の韓米同盟強化を懸念するのは、韓国政府が統一後の北東アジアの安全保障と周辺国関係に関する明確な立場を表明していないからだ。ドイツは統一当時、英国とフランスに対し『統一後も欧州連合(EU)にとどまり、平和的な役割を引き続き担う』と保証した。中国国民は韓国がなぜ統一しようとしているのか、統一後の北東アジアの安全保障がどうなるのかをよく分かっていない」
―韓国の専門家は、北朝鮮は中国にとって、米中間の緩衝地帯としての戦略的な意味があり、中国が北朝鮮難民の流入を防ぐため、北朝鮮の絶対的安定を願っていると考えている。また、韓米同盟に対抗し、中国が中朝関係を強化しているとの分析もある。
 「大半は当たっている。中国が北朝鮮の崩壊と難民問題を懸念しているのは事実で、韓米同盟についても不満がある。そのため、北朝鮮の現状維持という保守的な態度を堅持してきた。しかし、韓国は北朝鮮問題に対する中国指導部の心理を理解する必要がある。北朝鮮は中国と同じ社会主義国で、北朝鮮のような国の崩壊は社会主義陣営の縮小につながる可能性がある。歴史的にも、韓半島に外国の軍隊が駐留した際、中国の安全保障不安につながった記憶がある。そうした懸念は現実的なものというより、観念的な面が強い。しかし、観念が心理に変わり、政策にも影響を与える。韓国は中国指導部のそうした複雑な心理を過小評価してはならない」
―金正日総書記の死後をどう見ているか。
 「さまざまなシナリオがあるだろうが、どんな形であれ変わるはずだ。過去にも社会主義国で最高指導者が死去した際、大きな変化が起きた。1976年に毛沢東が死去後、中国は改革開放を選んだ。94年に金日成主席が死去後、北朝鮮と米国の間にジュネーブ合意が成立した。中国の構想は、北朝鮮の改革開放と核放棄を同時に実現することだ。6カ国協議の当事者が顔を突き合わせ、この歴史的なチャンスを生かさなければならない。第2のジュネーブ合意が必要だ」
―過去数年間に中朝関係は緊密化したが。
 「金日成主席が死去した1994年は、冷戦が終結した直後であり、中国は孤立していた。金正日総書記も中国を嫌っていた。93年の北朝鮮核危機で、米国が北朝鮮に対する攻撃を検討した際、中国は『米国が勝手にやればいい』という立場だった。しかし、いま中国は強くなり、北朝鮮を管理する能力を持っている。どの道を歩むのが中国の利益(国境地帯の安定)につながるかで悩んでいる。中国が北朝鮮に武器を提供したり、大々的な投資を行ったりすることはない。それは米中間の新たな冷戦につながる。しかし、北朝鮮の崩壊も中国の国益には反する。北朝鮮をごろつき国家、狂った国家だと非難しても問題は解決しない。韓国は米中とともに冷静に対応策を模索すべきだ」




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