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サムスン電子、3次元NAND型フラッシュメモリー量産の意味と展望

2013年08月08日 16時31分32秒 | Weblog
韓国大手新聞 中央日報13年8月7日記事抜粋
Aデパートでマーケティングを担当するキム・チョルス課長はライバル会社のデパートを見回った後、メガネフレームから1テラバイト(TB)容量のメモリーカードを取り出した。小さなチップに100時間以上の高画質動画が収まり、ライバル会社の状況分析に大いに役立つ。サムスン電子が6日に世界で初めて出した3次元垂直構造NAND型フラッシュメモリー(3D V NAND)がもたらす未来像だ。 サムスン電子の崔定赫専務は「今は128ギガビット(Gb)を量産するレベルだが、5年ほど経過すれば1テラビット(Tb、1Tbは1000Gb)級メモリーが出てくるだろう」と述べた。ノートブックにスーパーコンピューター並みのメモリー保存装置を搭載できるということだ。
◆ノートブックサイズのスーパーコンピューターが可能に
半導体業界では、3次元垂直構造でセル間の干渉現象をなくそうという試みは10余年前から続いてきた。微細工程で10ナノメートル(nm)の壁を越え、メモリー容量を増やすためには、3次元積層構造以外に特に解決方法がないからだ。世界1位の半導体企業インテルの場合、2年前に3次元(3D)トランジスター「トライゲート」を開発し、中央処理処置(CPU)のAtomプロセッサーに適用した。平面形トランジスターより干渉現象が減り、低電圧で37%ほど性能が向上した。しかしデータ保存空間(セル)自体を垂直で積み上げて容量を増やしたのはサムスンが初めてだ。
嘉泉大学大学電子工学科のパク・バンジュ教授は「平面上でセルの間隔を狭める微細工程技術は物理的に限界に到達している」とし「サムスンの今回の成果はノートブックはもちろん、スマートフォンやタブレットPCなどスマート機器の構造と用途に一大革新を起こす契機になるだろう」と説明した。 立体構造の半導体はサムスン電子が10年間にわたり研究してきた結果だ。メモリー半導体は1971年に開発された「フローティングゲート(Floating Gate)」構造に基づいて作られた。シリコン表面に木のように立っているフローティングゲートに電子を保存する方式だ。この構造に基づいて微細工程化が進められ、サムスンは10ナノ級に発展させた。
2006年に独自の技術で開発した「チャージトラップ型フラッシュ(CTF)」方式が3D半導体につながった。CTFは電子をシリコンの表面に付着したドーナツ型の不導体物質に保存する方式だ。崔専務は「フローティングゲートの代わりに、CTFを立体技術で発展させながら24層まで積み上げた3次元円筒型CTFセルを作ることができた」と話した。 3次元円筒型CTFセルは電荷を安定した不導体に保存し、上下セル間の干渉現象を減らす。従来の20ナノ級NAND型フラッシュメモリーに比べて集積度が2倍以上高く、生産性が大幅に向上したという説明だ。
◆ライバル会社と技術格差1-2年広がる
サムスンの3次元円筒型CTFはシリコンに微細な穴を開ける「チャンネルホールエッチング(Channel Hole Etching)」技術が核心だ。崔専務は「サムスン電子瑞草社屋の44階の屋上から数十億個の穴を地下まで重ならないよう垂直に掘り下げる技術」と説明した。この穴を通じて電極を連結し、外側に不導体とゲートを作る方式だ。崔専務は「チャンネルホールエッチングの難しさのため現在は25層以上は積めないが、理論的には無限に拡張できる」と説明した。これを受け、サムスン電子はライバル企業との格差を1-2年以上広げたと評価される。
◆特許300件以上を世界各国に出願
市場調査会社アイサプライによると、世界NAND型フラッシュメモリー市場は今年の236億ドルから2016年には308億ドルに成長すると予想されている。サムスン電子は現在の主力製品20ナノ級64Gbを来年末まで10ナノ級128Gb製品に変える戦略だ。崔専務は「今後、京畿道華城工場で3次元円筒型CTFセルを量産しながら工程技術を確立し、来年4-6月期から中国西安でも量産する計画」と明らかにした。 サムスン電子はV NAND関連核心特許300件以上を国内はもちろん、米国・日本など世界各国に出願したと明らかにした。サムスン電子と半導体特許クロスライセンスを結んでいるSKハイニックスの場合、今年末まで技術開発を完了し、市場状況を見守りながら来年または再来年に3次元構造のNAND型フラッシュメモリーを量産する計画だ。フラッシュメモリー2位企業の東芝は現在19ナノ工程で生産している。
一方、日本経済新聞はこの日、東芝が米サンディスクと共同で40億ドルを投入し、16-17ナノメートル級のNAND型フラッシュメモリー工場を増設すると伝えた。


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