シニア花井の韓国余話

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【社説】国家危機管理の穴は電力だけの話か 

2011年09月24日 23時47分23秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.9.20記事抜粋)
 知識経済部(省)は、9月15日午後に韓国各地で発生した大規模停電の主な責任を、電力取引所の虚偽報告になすりつけようとしている雰囲気だ。電力取引所が、実際の予備電力は24万キロワットにしかならないのに、稼働していない発電機の発電量まで含めて343万キロワットと報告したために、対応が遅れたという。しかし、電力取引所によるこうした電力量計算は、昨日今日に始まったことではない。でたらめなデータを基に組まれた電力対策から改めなければ、電力をめぐる大混乱にまた直面しないとも限らない。
 普段は何ともないように見えるが、じっくり観察してみると、国家的災厄につながりかねない分野は、電力だけではない。9月14日には、航空交通センターのサーバーが57分間正常に稼働せず、仁川・金浦・済州空港を出発する多数の航空便に遅れが生じたが、今もなお原因は分かっていない。福島第一原子力発電所で発生した爆発事故の後、韓国国内でも原発事業の運営機関と安全性評価機関を分離し、原発が安全かどうかをより客観的に評価するため「原子力安全委員会」を設置するという案が出されたが、まだ発足には至っていない。農協のコンピューターネットワークがハッキングされて機能が麻痺し、韓国政府や公共機関・企業・個人の情報が無差別に流出する事件が頻発しているが、電子政府を目指す現政権の情報インフラ安全管理は脆弱くこの上ない。哨戒艦「天安」沈没や延坪島砲撃など北朝鮮の挑発があるたびに、交戦体制の整備や先端装備を駆使して北朝鮮の攻撃に対し万全の備えを期すると確約してきた韓国軍では、対空砲やミサイルの探知レーダーなどが故障したまま放置されているという報告が後を絶たない。
 韓国社会のあちこちには、高度経済成長がもたらした数多くの危険要素が潜んでいる。安全保障分野は言うまでもなく、自然災害や大事故、情報通信・航空・交通といった社会資本(SOC)の崩壊、食品・伝染病など民生分野での事故が、いつ、どのような形で起こるか分からないというのが現実だ。こうした国家的危機を総合管理するため、2003年に大統領府(青瓦台)に国家危機管理センターを設置したが、この機関は今回の停電について報告すら受けていなかった。
 韓国政府は、この機会にあらゆる分野の国家危機を再分類・再点検し、脆弱な部分をあらかじめ補完し、実際の危機の状況で現実に見合った正確なマニュアル(行動規範)を整備し直す必要がある。形だけの各種災害対処訓練も、実際の状況が起こった場合に役立てられるよう、絶えず模索しながら補完すべきだ。
(投稿者注)
高度経済成長がもたらした数多くの危険要素が潜んでいる=高度経済成長が問題なのではなく、先進国からやみくもに導入した先進技術を、急ぎすぎて消化しないまま使用していることが問題だろう。
自分のものになっておらず、いつまでも借り物状態だ。
ハード面は先進国的に見えるが、ソフト面(人の心・精神面/民度)が追いついていないことが問題だろう。


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