シニア花井の韓国余話

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不足する予備電力、今後5年は大停電リスク 

2011年09月24日 22時46分10秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.9.20記事抜粋)
 韓国電力取引所の廉明天(ヨム)理事長は9月19日、国会で行われた国政監査で「過去にも電力の供給余力が100万キロワット以下に低下したことがあった」と証言した。以前にも9月15日に発生したような大規模停電が起きる危機があったが、何とか乗り切ってきたという説明だ。
 知識経済部(省)と電力取引所によると、積極的な需要管理政策がなければ、15年までに供給予備率(電力供給能力の余裕分)が3.7%‐6.6%に低下し、安全ラインの15%をはるかに下回る見通しだ。
 9月15日の大規模停電は決して偶発的な事件ではなく、今後5年間は停電のリスクを抱えながらの生活を余儀なくされそうだ。供給予備率は、発電所の電力供給能力の余力を指す。整備中の発電機の発電容量までを含むため、予備率は15‐17%が適正水準とされる。
■でたらめな需給予測
 昨年末、知識経済部が発表した第5次長期電力需給計画案は、これまでの電力需要の伸びがこのまま続くと仮定した場合、供給予備率が12年には4.8%、13年には3.7%に低下すると予測した。14、15年は6.6%へとやや回復するが、それでも適正水準にはるかに満たない水準だ。16年には新規発電所の稼働で供給率は10.1%にまで回復する見通しだ。韓国では電力の供給予備率が03年の18%をピークに低下を続け、昨年は6.7%、今年は4.1%となった。電力供給が不足するのは、電力需要の予測がでたらめだったことに加え、発電所の建設が計画通りに進まなかったり、計画が中止されたためだ。06年に韓国政府が発表した第3次電力需給基本計画(06‐20年)は、今年の最大電力需要を6594万キロワットに設定した。しかし、予測は大きく外れ、今年の最大需要は7313万キロワットだった。これは、20年時点の需要予測(7180万キロワット)よりも多い。韓国政府の電力需要予測が外れたのは、予測システムに重大な欠陥があることを意味する。ある業界関係者は「政府の計算による電力需要量が実際より少ないことから、電力需要予測プログラムに深刻な問題があると見なさざるを得ない」と話した。
 その上、当初建設予定だった発電所を着工できなかった影響も少なくない。韓国電力公社によると、5年前の第3次電力需給基本計画に盛り込まれた発電所建設事業のうち、建設が遅延しているか中止された事業は716万キロワット規模に上る。これは、政府が民間の発電所建設計画の履行状況をきちんと管理しなかった結果だ。
■春秋にも停電懸念
 発電能力の不足で、電力難が夏や冬だけでなく、春、秋にも懸念されるとの指摘もある。発電所は年間30日程度の整備が必要だが、電力需要が逼迫する夏、冬を避け、整備作業が春、秋に集中するためだ。このため、春、秋に電力需要が少し増大しただけでも、停電のリスクが生じる。大規模停電が起きた9月15日には834万キロワット分の発電所が整備に入っていた。これは電力供給能力の10%を超える量だ。専門家は現時点で、時間帯別に電気料金に差を付けるなどして、需要を抑制する以外に方法はないと指摘する。韓国開発研究院のイ・スイル博士は「発電所を建設するといっても4年以上かかるため、今回のような停電などの事故を防ぐためには、電力需要を減らすしかない」と語った。


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