シニア花井の韓国余話

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ニューヨーク支店長出身、金融界の新主流

2012年01月08日 23時42分18秒 | Weblog
(韓国大手新聞、東亜日報 12.1.5記事抜粋)
「いまや、ニューヨーク支店長の全盛時代!」。銀行や保険など、国内主要金融会社の役員人事で、米ニューヨーク支店長出身者の多くが副頭取などの役員に昇進したことが、調査の結果分かった。
KB国民(クンミン)銀行は昨年12月23日、本部長も経験していない1960年生まれの李サンウォン元グローバル事業部長を、新成長事業グループの副頭取に抜擢した。銀行の副頭取らは、その大半が1950年代の前半から半ばの生まれで、国民銀行には1960年生まれの本部長さえいないことから、破格の人事だという評価が多い。昨年末、KB金融持株も1961年生まれの李東哲(イ・ドンチョル)戦略企画部長を常務に昇進させ、KB金融内に本格的な1960年代生まれの役員時代を切り開いた。李サンウォン副頭取や李東哲常務は2人共に00年代半ば、ニューヨーク支店長を務めた。
これに先立ち、三星(サムスン)火災は昨年12月半ば、2度もニューヨーク法人長を務めたユ・イングン現ニューヨーク法人長を常務に昇進させた。彼らと同様の時期に、ニューヨーク支店長を経験している新韓(シンハン)銀行の趙炳(チョ・ヨンビョン)副頭取やハナ銀行の金炳豪(キム・ビョンホ)頭取、ハナ銀行の李鉉周(イ・ヒョンジュ)副頭取、企業(キオブ)銀行のユ・ソクハ副頭取も、この1、2年間で副頭取に昇進した。ウリ金融持株のファン・ロク専務やウリ銀行の崔承南(チェ・スンナム)副頭取も、00年代初頭、ニューヨークで勤務した経験がある。ニューヨーク支店長出身者が大量に役員昇進したのは、グローバル金融中心である米ウォール街で勤務しながら蓄積したグローバル感覚が、買収合併(M&A)作業など銀行の事業拡大に役立つだろうという判断が働いたためと見られる。
李東哲常務は、銀行からの支援を受け、米名門法科大学のチュレーン大学を卒業し、ニューヨーク州弁護士資格を取得した。ニューヨークの大手法律事務所、シムソンサッチャー&バートレットで1年間勤務したこともある氏は、00年、国民銀行と住宅銀行との合併や国民銀行によるインドネシアBII銀行の買収作業を主導した。国民銀行の内部からは、李サンウォン副頭取の抜擢は、08年、国民銀行の買収後、経営状況が振るわなかったカザフスタンバンクセンタークレジット(BCC)の経営正常化を念頭においての布石ではないかという見方も出ている。金炳豪と李鉉周の両副頭取は、それぞれニューヨーク支店長になる前に米バークレー・カリフォルニア大学やミシガン大学で経営学(MBA)修士号を取った。ユ・ソクハ副頭取も、米アイオワ大学のMBA出身だ。
こうした状況を総合すると、国際金融の中心地であるニューヨークで働きながら蓄積した経験や海外留学時代から構築したネットワークを活用し、なかなか進まない銀行圏のM&Aや海外進出での成果を期待する意味が強く含まれていることが読み取れる。
ニューヨーク支店長出身の役員らの複雑な縁も目を引いている。1961年生まれで同い年の李東哲常務と金炳豪副頭取とは、06年に国民銀行とハナ銀行が、外換(ウェファン)銀行の買収を巡り、激しく競い合った時に、それぞれ姜正元(カン・ジョンウォン)元国民銀行頭取と金勝猷(キム・スンユ)ハナ金融持株会長から、外換銀行の買収作業を主導するよう指示を受け、急きょ帰国した。当時は国民銀行が勝利したが、その後買収を諦め、現在はハナ銀行が外換銀行の買収を目前に控えている。
李サンウォン副頭取と李鉉周副頭取とは、李東哲氏と金炳豪氏の突然の帰国を受け、ニューヨーク支店長のポストを引き継いだ。


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