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兪容疑者死亡:検察・警察のずさん捜査、相次ぎ明るみに

2014年07月27日 11時00分00秒 | Weblog
韓国大手新聞  朝鮮日報14年7月25日記事抜粋
変死体処理、何の疑いもなく「ホームレス」
検察、別荘捜索を「家宅捜索」として実施…「隠し部屋」見逃す
 兪炳彦(ユ・ビョンオン)容疑者(73)=元セモ・グループ会長=の潜伏先の捜索過程や、潜伏先近くの畑で発見された変死体の処理で、検察と警察は相次いでミスを犯していたことが明らかになり、「両捜査機関は惰性に流され、捜査の基本を守っていなかった」と批判されている。
 検察は5月25日、兪容疑者が潜伏していた全羅南道順天市内の別荘を2時間にわたり捜索しながら、丸太の壁を装った隠し部屋に兪容疑者が隠れていたことに1カ月間も気付いていなかった。また、この別荘の近くで変死体が発見されたのにもかかわらず、検察と警察は「ホームレスに見える」という理由で漫然と形通りの措置を取り、40日間も無駄に捜査に費やした。高等検事長を務めた経験のある弁護士は「捜査の基本は『全てを疑え』だが、今回の事件では手掛かりが複数あったのにもかかわらず、疑うことなくそのままにしていた。基本を守れなかったどころか、最低限の関心も払わなかった」と指摘した。
■隠し部屋の存在、1回でも疑っていれば
 検察は5月25日、順天市内にある兪容疑者の別荘「森の中の思い出」に同容疑者が潜伏しているという側近の供述に基づいて家宅捜索令状の発行を受け、午後9時30分から約1時間50分にわたり別荘を捜索したが、隠し部屋の存在については全く考えていなかった。警察幹部は「地面を掘って隠れる、あるいは屋根裏部屋やクローゼットなど見えない場所がないか徹底的に調べる必要があったが、全く疑うことがなかったようだ。検察がいつもしている家宅捜索は主に証拠探しのために行われるもので、容疑者を捕まえる捜索とは違う。容疑者を呼び出して椅子に座らせ取り調べる方法に慣れているため、(別荘の捜索には)警察が一緒に行くべきだった」と話した。凶悪犯罪捜査のキャリアが10年という刑事も「捜査していると、(大型の縦置き)エアコンの裏にドアがあったり、便器を持ち上げると下に隠れるスペースがあったりすることもある。こうした『隠れ部屋』を念頭に置いて捜査しなければならないが、(別荘捜索時の検察)現場チームは経験不足だったようだ」と話した。ある元検察幹部は「兪容疑者の潜伏先に出動するときも警察に支援を要請し、別荘の周りを取り囲んで徹夜で現場を監視するべきだ」と話す。
■変死体、警察はざっと見ただけ…検事はいい加減に指示
 6月12日、順天市内に梅畑を持つ男性(77)が変死体を発見したと通報すると、順天警察署は「身元・死因とも不明」と報告、所持品について「スクアレン(健康補助食品)の空き瓶、豆10粒、冬物ジャンパー、金歯10本、まっすぐあおむけに横たわっていた」などと書いた。白の運動靴は足元に転がっていたが、「白い運動靴を着用」と事実と異なる「いい加減ぶり」だった。布製のカバンに書かれた「夢のような愛」という言葉や、ジャンパーのブランド名には見向きもしなかった。「遺体の損傷が激しく身元確認ができないため、変死者として情報公開し、身元を確認できなければ行旅死亡人(行き倒れ)として処理する」とも書いている。
 遺体から落ちた白髪や骨片は現場で回収されておらず、40日以上放置されていた。警察は変死事件を略式処理する慣行に倣い、FAXで資料を検事に送ったため、検事は遺体写真を白黒でしか見ていない。資料を受け取った検事は「スクアレン」「金歯10本」といった手がかりに気付かず、「兪容疑者かもしれない」とは夢にも思わなかった。スクアレンはセモ・グループ系列会社が販売する代表的な健康食品だ。検事はいつも通り「身元確認と死因究明をせよ」として解剖を指示しただけで、特に疑念を抱くことはなかった。
 これについて、ある元検察幹部は「ホームレスの変死は都市部にはあるが、スクアレンを飲むホームレスはそんなにいない。兪容疑者のことがなくても、単なる変死ではなく他殺の可能性を疑う必要があるケースだ。しかも、兪容疑者の逃亡先の近くなら、検事が警察に送る変死報告書にそのままサインするようなことはあってはならない事案だ」と批判した。
柳井(リュ・ジョン)記者


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