シニア花井の韓国余話

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北朝鮮の現状維持を望む中国

2012年01月24日 23時23分50秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.23記事抜粋)
影響力を維持し、米国阻む緩衝地帯に
 韓半島(朝鮮半島)を揺るがす事件が起きるたびに、中国外務省の報道官による論評には「朝鮮半島の平和と安定」という表現が登場する。
 1988年に韓中両国の国交正常化問題が浮上すると、李肇星報道官(当時)、は「朝鮮半島の平和と安定に役立つかどうかという観点で検討している」と述べた。94年に北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)を脱退し、北朝鮮の核危機が始まると、朱邦造報道官(当時)は「全ての当事国が対話で問題を解決し、朝鮮半島の平和と安定を維持するために努力することを求める」と述べた。そして、10年11月に北朝鮮が延坪島を砲撃した後、姜瑜報道官は「韓国と北朝鮮は、朝鮮半島の平和と安定を維持する責任を果たすべきだ」と述べた。
 「朝鮮半島の平和と安定」という表現には、韓半島の統一問題に対する中国の見方が表れている。中国の本音は、韓半島の現状維持で、統一は望まないということだ。ニア財団の鄭徳亀(チョン・ドック)理事長は「中国は韓半島が統一された後、新たな試練に直面することを懸念している」と指摘した。
 中国が韓半島の統一と関連して懸念しているのは、統一後の大韓民国のビジョンがあいまいなことによる不確実性、大規模な脱北難民の流入、北朝鮮リスクの消失などだ。
 中国では、韓国が韓半島統一後の北東アジアの秩序に関する明確なビジョンを示しておらず、中国の安全保障に対する大きな試練になるとの見方がある。高麗大国際大学院のキム・ソンハン教授は「統一韓国のビジョンがはっきりしない中、中国は統一韓国が米国との同盟に基づき、中国と対立することや、日本、オーストラリアまで加わり、中国を封じ込めるための前進基地となることを最も懸念している」と分析した。
 韓半島の統一により、これまで戦略的価値があった北朝鮮リスクが消えることも懸念材料だ。中国の立場では、北朝鮮は米国の影響力が中国との国境に及ばないようにする緩衝地帯であると同時に、北朝鮮問題などをめぐり、中国が北東アジアで持つ影響力を拡大する「カード」でもあった。北朝鮮を動かすことができるのは中国だけだという事実は、米国をはじめ国際社会も認めていた部分だ。韓半島が統一すれば、中国が握っていた北朝鮮カードや交渉力が消滅することになる。
 中国は統一のプロセスで北朝鮮が崩壊し、難民が流入することも、中国の安定を脅かす要因ととらえている。ある中国専門家は「中国の学者は北朝鮮の難民が50万-100万人流入するとみている」と語った。特に難民が東北3省に住む朝鮮族220万人の中に浸透すれば、別の不安要因になり得るとみている。
 このほか、中国は在韓米軍が駐留している状況で、統一韓国と国境を接することで、対立が生じる可能性も懸念している。しかし、キム教授は「在韓米軍は統一後に北朝鮮の脅威が消えれば、規模が縮小される可能性が高く、地上軍主体の編成では作戦半径が制限されるため、中国の脅威とはならない。韓国との紛争可能性に触れるならば、中国が過剰反応している」と指摘した。
 明知大のカン・ヒョベク教授は「中国は表面的には韓半島の安定を望んでいるというが、韓半島統一後の懸念を拡大再生産し、北朝鮮を引き続き影響圏に置きたいようだ」と分析した。


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