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30日前予告と解雇

2013-07-23 | 日記

30日前に予告すれば,社員を自由に解雇することができますよね?

 30日前の予告というのは,使用者が労働者を解雇しようとする場合には,原則として,30日以上前に解雇の予告をするか,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないこと(労基法20条)を念頭に置いている質問と思われますが,労基法20条は解雇予告等について定めた条文に過ぎず,同条を遵守したからといって直ちに解雇が有効になるものではありません。
 30日前に予告してから解雇したとしても,解雇に客観的に合理的な理由がなかったり,解雇が社会通念上相当でなかったりすれば,解雇権を濫用したものとして解雇は無効になります(労契法16条)。
 また,労働者が業務上負傷し,又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間の解雇,女性労働者の妊娠,出産,産前産後休業等を理由とする解雇,労働基準法違反の申告を監督機関にしたことを理由とする解雇,性別を理由とする解雇,不当労働行為の不利益取扱いとなる解雇,公益通報をしたことを理由とする解雇等,一定の場合については,法律上解雇が禁止されており,これらに反する解雇は無効となります。

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解雇予告手当不払のリスク

2013-07-23 | 日記

解雇予告手当不払のリスクとしては,どのようなものが考えられますか?

 即時解雇した場合に解雇予告手当を支払わないことのリスクとしては,
① 30日分の平均賃金相当額の解雇予告手当の請求を受けるリスク
② 即時解雇としての効力が生じず,退職時期が最大30日経過後になるリスク
③ 訴訟において解雇予告手当と同額(以下)の付加金の支払(労基法114条)を判決で命じられるリスク
④ 刑事罰(労基法119条1号,6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)及び取調べを受けるリスク
⑤ 上記①②③④に関連する交渉,訴訟,労基署(検察庁)対応の煩わしさ,弁護士費用等の負担
などが考えられます。

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代表弁護士 藤田 進太郎