いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語18、遊牧政権お決まりの内訌

2018年10月27日 11時43分26秒 | マンジュの森 --ヌルハチの家族の物語
酋長とその息子がなくなった建州左衛都指揮使の家系の世代交替は、
スムーズには進まなかった。

建州左衛の属民が、続々とニカンワイランのもとに奔ったのは、前述のとおりである。

モンゴルなどの遊牧民族の間でもよくあることだが、
集団の秩序は、絶対的な人間的魅力とカリスマ性を持った個人の魅力により保たれている場合が多い。

原始的統治システムの脆弱さがある。

遊牧社会では、強力なリーダーが禁止すれば殺人も盗みもしないが、
ほかの人に言われても聞くかどうかはわからない、という論理となる。

つまりは自分より身体能力・知力に優れた相手でなければ、心服もしなければ、いうことも聞かない。

だからこそチンギスハーンや初期のイスラム集団の如く
圧倒的なリーダーを得た場合には爆発的な戦闘力を生み出す。

ところがそのリーダーが年老いてカリスマ性が弱くなれば、瞬く間に殺されて
我こそは、と次々に人々が名乗りを挙げ、より強いオスに取って代わられることは、以前にも述べたとおりである。


仮にそのリーダーが死んだからといって、
単純に世襲で息子や甥、弟が後を継げばいいという話にはならない。

腕力・知力で皆を圧倒できない限り、リーダーとして心服しない。

だからこそ遊牧政権には後継者争い、内訌が絶えず、
そのたびに集団のエネルギーを消耗する。


イスラム成立後のアラブ社会では、
リーダーの代わるたびに処置判断がまちまちになる問題を解決するため、
マホメットの言葉を法的に解釈し、恒常的な判断基準とする「ハディース」を整備し
統治者が代わっても法律が一貫するシステムを作り上げた。

そのような成熟した社会システム作りがイスラム社会の繁栄につながる。

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遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮の街中

  

まずは町の食堂で腹ごしらえ笑


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
hiroshiさんへ (yichintang)
2018-10-29 16:54:51
なになに笑?

今は日本です。
両方をうろうろしております笑
返信する
アレッ? (Hiroshi)
2018-10-28 21:56:10
もしかして今、中国ですか?
返信する

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