この一部始終をヌルハチに告げ口することによりチュインと一線を画した側近がいた。
恐らく側近らはチュインの元でその様子を伺っていたのだろうが、
この留守中のあまりに軽率かつ愚かな言動を観察し、こりゃだめだと見限ったものだろう。
こんな主人と運命を共にしては、ろくなことにならない、と。
それまでは堂々たる跡継ぎ太子だったからこそ、懸命に奉公したのだろうが。
人間、落ちぶれても泰然としているなら周りも不安にならない。
いずれヌルハチも彼のすばらしさに気づいてやがて名誉も回復するだろう、と思わせるのだが、
一旦、強烈な「くすぶり」臭気を放てば、
その悪い運気に周囲も中毒にかかり、何とかそこから逃れようとするものである。
ヌルハチはチュインのあまりの薄情な言葉に全身の血が引くかのごとき失望を感じたことだろう。
密告が脚色されている可能性があるとは頭の隅でわかりつつも。
しかしこれまでの言動を見ると、
チュインという人は都合の悪いことを問い詰められた場合、
必死になってうそをついたり、取り繕ったりするのではなく、轟然と開き直るタイプらしい。
今回もまた問い詰められて、釈明をしなかったようである。
**************************************************************
遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮
ホトアラ城
前述のとおり、ホトアラ城は、ヌルハチが先祖代々暮らしてきた土地に建てられた。
ここでは、その跡地にタクシの家を再現している。
つまりはヌルハチの生家である。
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それまでは堂々たる跡継ぎ太子だったからこそ、懸命に奉公したのだろうが。
人間、落ちぶれても泰然としているなら周りも不安にならない。
いずれヌルハチも彼のすばらしさに気づいてやがて名誉も回復するだろう、と思わせるのだが、
一旦、強烈な「くすぶり」臭気を放てば、
その悪い運気に周囲も中毒にかかり、何とかそこから逃れようとするものである。
ヌルハチはチュインのあまりの薄情な言葉に全身の血が引くかのごとき失望を感じたことだろう。
密告が脚色されている可能性があるとは頭の隅でわかりつつも。
しかしこれまでの言動を見ると、
チュインという人は都合の悪いことを問い詰められた場合、
必死になってうそをついたり、取り繕ったりするのではなく、轟然と開き直るタイプらしい。
今回もまた問い詰められて、釈明をしなかったようである。
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遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮
ホトアラ城
前述のとおり、ホトアラ城は、ヌルハチが先祖代々暮らしてきた土地に建てられた。
ここでは、その跡地にタクシの家を再現している。
つまりはヌルハチの生家である。
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