谷沢健一のニューアマチュアリズム

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ブラウン監督(広島)の思考(その1)

2006-08-17 | プロ野球への独白
 8月9日、豊橋で中日対広島戦が行われた。このゲームである事件が起きた。それはお粗末なミスによる試合中断だったが、ただの中断にとどまらず、数日後のブラウン監督の「問題発言」の伏線になった、と私には思われた。
 試合の終盤、広島の攻撃で、9番(打者は投手)に代打で松本内野手が起用された。そして、2番の梵(そよぎ)選手が自打球を足に当てベンチに下がった。攻撃が終わって、広島は交代する投手をストッパーの永川とし、清川投手コーチが主審に「永川で行くよ」と告げた。
 広島は外国人監督だから、コーチが選手交代を審判に告げることがこれまでも何度かあった。主審は清川コーチから告げられた通り、「9番、代打松本に代わり永川」と場内アナウンス係に伝え、すぐにそうアナウンスされた。
 ところが、9番に投手を入れ、松本内野手が退くとショートを守れる選手がいなくなる。松本選手を遊撃に入れて永川投手を2番(ベンチに下がった梵選手)の所に入れるべきだったのだ。慌ててベンチをとびだしたブラウン監督が訂正を求めた。
 ブラウン監督の訂正を承諾して、主審は中日ベンチに行き事情を説明した。だが、落合監督は「交代を発表したのだから訂正など了承できない」と主張する。この時点から約30分間の中断が始まった。
 広島側の大きなミスとはいえ、守備につく選手がいなければ、たとえ中日の主張が正しくとも、試合は再開できない。結局、審判団が中日球団に謝罪することで、広島の訂正を受け入れて試合が続行することになった。中日球団代表が落合監督を強く促して再開されたという。
 確かに、落合監督の主張は正しい。野球ファンならご承知のように、ベンチ内のボードには両軍の登録選手名が列記されている。選手交代があれば、その選手の名前は消されて行く。ベンチにどの選手が残っているかは一目瞭然なのだ。
 主審も胸ポケットに両軍のメンバー表を入れている。しかし、選手起用は監督が決めることであり、投手がショートを守ろうがどうしようが、審判は関与しないし、遊撃手がいなくなるかどうかの確認をする義務はない。
 しかし、そもそもコーチには選手交代を主審に告げる権利などない。その権利のない者の申告を受容したことは審判のミスである。つまり、広島の首脳陣と主審とがダブルミスを犯したのだ。
 落合監督が両者のミスを受け入れなかったことは、ルール上は当然である。だが、それがブラウン監督の反感を買うことになったのだろう。

1 コメント

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Unknown (上海ガニ)
2006-08-23 16:09:57
僕の想像だが、落合監督が変更を拒絶した理由は間違いなら間違いで、素直に謝るべきということだろう。口実としてコーチが告げたから監督である自分は知らないというのはおかしい。特にそのときまでコーチに告げされるケースもあったわけだから。

あとで、さっさと審判が誤ればよかったというのは、いかにも責任逃れで見苦しいし、卑怯だと思う。
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