ポケットの中で映画を温めて

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ルネ・クレール・6〜『奥様は魔女』

2017年10月19日 | 戦前・戦中映画(外国)
ルネ・クレール監督がハリウッドに渡って撮った作品、『奥様は魔女』(1942年)を観た。

17世紀後半のアメリカ。
ジェニファーと父ダニエルは魔女狩りの刑で火あぶりとなり、その灰の上に植えた樫の木によって魔力も封印された。
しかしジェニファーは、刑の前、自分たちを告発したジョナサン・ウーリーに復讐するため、
今後代々、ウーリー家の男たちが結婚してもうまくいかず、不幸な目にあうよう呪いをかけていた。

270年経た1942年の現在。
知事選に立候補しているウーリー家の当主ウォレスは、新聞社長の娘エステルとの結婚を明日に控えていた。
稲光りするその時、雷が丁度樫の木に落ち、ジェニファーとダニエルは晴れて自由の身となる・・・

恋の駆け引きのコメディ。

ジェニファーは、ウォレスに婚約者エステルがいるのに、復讐のため、
“男にとって一番の不幸は、結婚が叶わぬ女に恋をすること” それには、魔女の自分に恋をさせようと考える。
その手段は、ウォレスに“ほれ薬”を飲ませること。
だがうっかり、その薬を、ジェニファーが気絶した時にウォレスから飲まされてしまう。

そうなると、さあ大変。
魔女の方がウォレスに恋してしまい、好きで好きでしょうがなく、一緒にもなりたい。
そのやり取りが、観ていて、とぼけた感じもあって可笑しく、楽しい。
そして、ジェニファー役のヴェロニカ・レイクの魔女っぷりが、可愛い気があって何ともいえない。
そればかりか、ラストのハッピーエンドもいい雰囲気で、つい笑ってしまう。

作りとしては軽い感じがあっても、さすがルネ・クレールはツボを押えたまとまりのある、いい作品に仕上げている。
後にテレビシリーズ化された原点である、と言われるだけあって、成程と、これまた無条件に納得してしまう。

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