信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

長野県治水砂防協会犀川支部の視察研修2日目

2015年10月15日 | 私の活動報告
 14日(水)2日目の視察研修は、立山カルデラ砂防博物館を視察しました。この博物館は、常願寺川の源流部にある侵食作用によって形成された立山カルデラの峻厳な自然と、県土の保全のため行われてきた砂防事業を紹介し、これを「知られざるもう一つの立山」と位置づけて平成10年6月に開館したとのことです。
 立山カルデラの砂防事業のきっかけは、安政5年(1858)の飛越地震で鳶山が大崩壊し、崩れた土砂が天然ダムを作り、それが決壊して土石流となり下流の富山平野へ流れ出て大きな被害を与えた「安政の大災害」です。この安政の大災害以降、常願寺川は氾濫を繰り返すあばれ川となりました。
 富山県は、明治39年(1906)から立山カルデラの砂防工事に着手しましたが、大正11年7月の豪雨で壊滅的な被害に遭って事業継続を断念しました。大正15年(1926)からは、国の直轄事業に移管されて以来、営々として今日まで工事が行われております。
 当博物館では、立山および立山カルデラの自然と歴史、砂防事業の理解を深めるために、学芸員が調査研究を行うほか、県内の学校や地域の研修会などに出向き、教育普及活動に務めているとのことでした。
 また、富山県が世界文化遺産へ提案している「立山・黒部~防災大国日本のモデル-信仰・砂防・発電-~」の内容をエントランスホールで映像により常時紹介するとともに、「立山・黒部を誇りとし世界に発信する県民の会」と連携して、展示事業、カルデラ見学会、講演会等を開催しているとのことでした。

▽ 立山カルデラ砂防博物館で、展示内容等を学芸員さんから説明していただきました。








 その後、立山黒部アルペンルートで大町市に向かいました。このルートは、立山駅から扇沢駅までは、ほぼ西から東に25km 足らずの直線距離ですが、最大高低差は1,975 mもあり、ルート内の交通機関として、立山連峰の景観を望む立山ロープウェイ、全線地下式のケーブルカー、黒部ダム建設に用いられたトンネルを通るトロリーバス、日本国内一の堤高を持つ黒部ダムの堰堤上の徒歩での移動など、様々な乗り物を乗り継いで移動しました。

▽ 立山駅から立山ケーブルカーで1.3km、標高差502m、最高斜度29度を7分間上り、美女平に着きました。




▽ 美女平から立山高原バスで23km、標高差1,473mを50分間上り室堂に着きました。バスの車窓からの素晴らしい風景を楽しみました。








▽ 室堂では昼食をはさみ、好天に恵まれて散策をしながら最高の眺望を堪能しました。








▽ 立山カルデラ砂防博物館の視察から室堂の眺望までをデジブックにまとめました。
デジブック 『治水砂防 犀川支部Ⅱ』


▽ 室堂から立山トンネル トロリーバスで3.7km、標高差134mを10分で大観峰まで下り、素敵な景色に感嘆しました。




▽ 大観峰から立山ロープウェイで1.7km、標高差488mを7分で黒部平まで下りましたが、お客さんが多くロープウェイからの風景はよく見えず残念でしたが、黒部平からの眺望は最高でした。








▽ 黒部平から黒部ケーブルカーで0.8km、標高差373mを5分で黒部湖まで下り、黒部ダムを見ながら15分歩きました。






▽ 黒部ダムから関電トンネル トロリーバスで6.1km、標高差37mを16分で扇沢まで降りて、バスに乗って帰路に付きました。






▽ 室堂から扇沢までの工程をデジブックにまとめました。
デジブック 『治水砂防 犀川支部Ⅱ』


 長野県治水砂防協会犀川支部の視察研修が有意義な視察になりましたことは、何かとお忙しい中、ご参加いただいた皆さん、視察の対応をしていただいた長井立山砂防事務所長さんをはじめ関係者の皆さん、視察の計画、準備、引率等を恙なくしていただいた事務局の皆さんのご協力、ご支援に感謝を申し上げます。そして、お疲れ様でした。