タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

今さらだけど学校体育に物申したい!

2022年03月27日 | 徒然なるままに

ボクは子どもの頃から体育の授業が嫌いでした。理由は簡単。足が遅いからです。短距離走も長距離走も苦手でした。子どもの頃って「足が速い」というだけでヒーローじゃないですか。それだけで仲間の中での確固たる地位が保証されます。今風に言うと「スクールカーストの上位に位置する」って感じですかね。ボクの少年時代はまさに逆でした。

だから当然、運動会も嫌いでした。マラソン大会も同様です。あれってある意味、公開処刑みたいなところがありますよね。たくさんの保護者や他学年の子どもも見ている前で、無様な姿をさらさなければならないのです。その屈辱は耐えがたいものでした。リレーで活躍したりするなんて夢のまた夢。そんな友達の姿をうらやましく眺めているのが少年時代のボクでした。

今でも運動会でときどき見るシーンに、足の遅い子が他から大きく引き離されて、それでも苦しそうに頑張って走る姿に、観衆から大きな拍手が送られるシーンがありますよね。拍手をしている方に悪気はないんだろうけど、あれって拍手を送られる子どもは絶対に「頼むから放っておいてくれ」「俺に注目するのは止めてくれ」って思っているに違いありません。(と、ボクは経験上思っています)

今の学校ではタイム順に走る組を決めたりして、子どもが恥をかかないような配慮をしているらしいですけど、それってある意味とても残酷なことですよね。ある子どもにとっては「足が遅い組の中の最下位」ってランク付けがされちゃうわけですからね。「あはは…俺達の組は足の速いヤツが多くってさ」って言い訳が使えません。

まぁ当時のボクにも多少のプライドはありましたし、運動会をサボる勇気もなかったので、「徒競走でダメなら興味走に勝負をかけよう」ってことで、運動会では借り物競走とか障害物競走など走力に関係のない競技で活躍することにエネルギーを費やしていました。そういう意味では、足が遅いことがボクに「生きる力」を育んでくれたのかもしれません。

高校を卒業して体育の授業や運動会・マラソン大会とおさらばした時に、「あぁやっと足が遅いことにコンプレックスをもたないですむ生活を手に入れることができた」とボクは喜びました。足が遅くても女の子と付き合えたし、数年後には結婚もできました。まぁ子どもが保育園に入ってからは、親子レース程度の「走る経験」はありましたけどね。

ところがそんなボクに転機が訪れます。40代の後半にさしかかった頃に、自宅から高速道路で100km離れた阿賀町に単身赴任していた時のことです。自然豊かで風光明媚な阿賀町を、運動不足解消のために「ちょっと走ってみようかな?」と週に1回くらい走ってみたのです。もちろん、超ゆっくりなペースでです。これが意外に気持ちがいいことを知りました。

単身赴任が終わって自宅に戻ってきてからは、仕事に忙殺され数年間のブランクがありました。ですが、50代後半に再びボクは走り始め、現在に至ります。60歳で職場を定年退職し1日の勤務時間が6時間に短縮されてからは、毎月100kmを目標に走っています。

雪が溶けて、いよいよ外を走るのが気持ちよい季節になりました。今まではジムのトレッドミル(ランニングマシン)で走っていたのですが、ようやく風を感じて走ることができる喜びを感じています。

ボクのお気に入りの、信濃川土手ランコースです。これからシーズンになると、老若男女多くの市民ランナーが、それぞれのペースで走る姿を見ることができます。ボクはその日の気合いや気分や体調に応じて、6Kmコース、10kmコース、12kmコースなどを走り分けています。

さらに数年前から年に数回は、市民ランナー対象のマラソン大会の「10kmの部」とか「ハーフマラソンの部」とかに出場するようになりました。最近のマラソン大会って、「苦しんで競争」ってイメージではないんですよね(もちろん記録を狙う人たちもいます)。仮装したりして走る人もいるし「(仲間と)楽しんで走る」っていうことが認められる世界がそこにあるんです。だから、ずっと走ることが苦手で嫌いだったボクも、遠慮なく走ることを楽しめるのです。

で、ボクが今日言いたいことの結論を書きます。小さい頃から学校体育で子どもたちに強制している、「勝つ走り」「速い走り」「他人と競う走り」をやめるべきではないかな…と。それよりも「(自然の中で)走る楽しさ」や「(仲間と一緒に)走る喜び」を体験させることの方が、はるかに重要なんじゃないかな…と。「走ると苦しい」という体験よりも、「走ると楽しい」という体験をさせた方が、国民の健康は増進されるのではないかと思うのですよ。人生の終盤に入ったボクが、自身の経験に基づいて今考えていることです。

コメント (4)
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