タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

神よ憐れみたまえ

2022年03月13日 | 読みました!見ました!

小池真理子の「神よ憐れみたまえ(新潮社)」を読了しました。新聞の書評を読んで「面白そうだなぁ…」と思って図書館に予約したのが数か月前で、その間に「書評のどこに惹かれたのか?」はすっかり忘れ去っていました。手にした単行本の570ページの分厚さに最初は怖じ気づきましたが、読み始めるとすっかり夢中になってしまい、見たいテレビドラマよりも優先して読んでしまいました。


昭和38年、12歳の黒沢百々子は何者かに両親を惨殺された。なに不自由のない家庭に生まれ育ち、母ゆずりの美貌で音楽家をめざしていた百々子だが、事件は重く立ちはだかり、暗く歪んだ悪夢が待ち構えていた。


まぁこんな感じの小説なんですが、ミステリーか?と問われると決して単純なミステリーではなく、読み進めるうちに読者には早々に真相(殺人の犯人や動機)がほのめかされます。まぁボクらとしては「それをいったい百々子がいつ知るのか?」に興味が移り、ページを追うごとに緊迫感が増すという展開です。ミステリーのスタイルをとってはいるものの、本書の主眼は百々子が辿った12歳から62歳までの激動の人生にあるのです。

ネタバレになるので詳細は書きませんが、小池真理子さんが10年の歳月をかけて描き、死へ向かうご主人の側で書いたというエピソードも知り、彼女が己の魂を捧げて書いた渾身の小説だと思いました。いつも読むのは軽い小説が多いボクですが、たまには重厚な小説もいいな…と思いました。難しい言葉や読めない漢字も、調べながらしっかり読みましたよ。

コメント
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