目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

私にとって魅力ある本

2010年08月22日 | おすすめ本
ようやく読み終わりました。
私にとって、非常に魅力的な偉人・ガンジーによる「ガンジー自伝」。
暴力を使わずに、「組織的な暴力」に対し勝利をつかんだ、おそらく世界ではじめての偉人。

そういう人の考え方、思想ってどんなものだろう、と、
純粋な興味から読んでみました。

おもしろかったです。

「自伝」だけあって、一般的な伝記の「素晴らしい人」像からは一線を画している姿勢も
いいな、と思いましたが、

「自分の行動は全く新しいものではなく、過去の思想をなぞっているにすぎない」
としているところも、また魅力的。


でもさらにいいなと思ったのは、
これだけの偉人も、10代の頃は本当にどうしようもないくらいに
煩悩にあふれた青年であった、という人間味。

なおさらに偉人としての後光が増してきました(笑)

もちろん、非暴力の精神を「実社会」そして「政治活動」の中で貫くことが
いかに難しいかは、具体的な歴史的事件を通して語られています。

それを乗り越えるための具体策がまたユニーク。

広大な土地を買い取り、農園を作り、トルストイ農園なるものを創設します。
敷地内にある果樹から果物を収穫し、小麦をひいてパンを作り、ピーナッツバターと
マーマレードを手作りしていきます。
靴をつくり、木箱を作り、学校さえも自分達で運営していきます。
こうした完全自給自足によって、お金の支出をほぼゼロに近いところまでなくしていきます。


そうすることで「政府と無制限に闘うことができる」と書いています。

(私からするとその運営だけでクタクタになって、とても「政府と闘う」なんて
できなさそうですが、その辺はガンジーの指導力と底力のすごさなのかもしれません。)

こうした行動も、書物からの影響とガンジーは言っていますが、
やはり動き、行動し、それを継続して、人々に「見せ続けた」ことの意義ははかりしれません。

糸車をまわすガンジーの写真は多く残っていますが、
こうした人間活動としての根っこの部分の活動があまり知られることはなかったのは、
随所にちりばめられるガンジーの思想が、宗教思考が背景にされ、それゆえに
日本人にはなじみにくい考え方であったからではないかな、と思います。

でも、その部分あってこその「非暴力精神」だから、
語られてもいいんじゃないかな、と私なんかは思いました。
ヒンズー教のことは何も知らない私ですが、
非暴力の根底にある考えを知ることができましたから。

400ページ以上にわたる大著ですし、読みにくい部分もあるので
全ての人に「おすすめ」とはいえませんが、私にとって、とても魅力的な本でした。


「ガンジー自伝」 中央文庫 
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