いわき市のおやじ日記

K流釣り、K馬、そして麺食いおやじのブログ。
山登り、読書、映画、陶芸、書道など、好きなことはいろいろです。

ナリン殿下への回想

2021年02月15日 | 

インドは美女、美男が多いと思う。

小麦色の健康的な肌、清楚な黒髪、大きな目と綺麗な形の鼻。スタイルの良さ。

 

この物語の主人公(その名もタチバナという二流作家)は、日本に留学してきた美少年の魅力にはまり、男色ではないかと自分で疑うほどになってしまう。

その美少年こそが、インドのヴァイプール王国の皇太子、ナリン殿下。

ナリン殿下と映画に行ったり、飲みに行ったりして親交を深める。

当時(第二次世界大戦前、この小説が出たのは昭和13年)、インドの宗主国はイギリス。

ナリン殿下はイギリスの駐日大使館から様々な妨害を受ける。

「日本に留学するのは許さん!留学するのならイギリスかフランスかアメリカにしなさい!!」というわけ。

理不尽でわがままな要求に反抗するも従わざるを得ない。

そして・・・・。(この後は書きません)

 

作者の橘外男さんはWikipediaによると、旧制中学を退学になること数度、芸妓に迷い業務上横領で実刑となかなかの人物だが、この小説にも直情径行ぶりが出ている。

そして植民地に対する共感、植民地支配に対する反感が強く窺える。

 

面白く、そして考えさせられる1冊だった。

ところでAmazonで「ナリン殿下への回想」で検索したら、当然古本しかなく、最低で2,500円、最高価格は70,000円だった。

しかたないので2,500円のを買ったが、その後「橘外男」で検索したらKindleで0円で出てた。

失敗失敗。

 

読書ノート。


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