遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

病 葉

2023-05-19 15:20:30 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年5月19日(金)

病 葉 : わくらば

青葉の季節に、病害虫や風通しの悪さなどから赤や黄色に変
色して朽ち落ちる木の葉。


病気に侵された葉、色づきすがれた葉をいう。


夏、万緑の中で蝕まれて黄色に色づいたり、赤く色づいたり
して落下する葉は健全な葉に比べ、確かに病に取り付かれて
しまった葉なのだろう。



天文11年(1542年)の連歌書「宗養書とめ」の中に見
られる発句に、
わくら葉をさそひて落ちぬ秋の月 
 
とあるがこの句は例外的な作であり、江戸時代に夏の季語と
して定着した。(俳書には「わくらは」という訓みがある)
夏の青々とした葉の中に虫食い等で変色した葉を夏の季語
とした。


病葉と書いて「わくらば」と読むのかはよく判らない。
病葉の「病」を「わくら」とは読まないが、「葉」の字は
「ば」と読む。 二文字合わせて「わくらば」と読む。

1961年に「川は流れる」という仲宗根美樹の歌が大ヒッ
トした。当初、或る歌のB面で発表されたが「歌声喫茶」で
この歌が評判となり、A面として、発売し100万枚の大ヒ
ットを飛ばした。
翌年(1962年)に松竹で同名の映画化がされた。
この映画でも主演の桑野みゆきと、仲宗根美樹が出演した。


川は流れる  1961年作品


作 詞 : 横井 弘、 作 曲 : 桜田 誠一

1)病葉を 今日も浮かべて
  街の谷 川は流れる
  ささやかな 望み破れて
  哀しみに 染まる瞳に
  黄昏の 水のまぶしさ

2)思い出の 橋のたもとで
  錆びついた 夢のかずかず
  ある人が 心つめたい
  ある人は 好きで別れる
  吹き抜ける 風に泣いてる

当時、歌声喫茶でよく歌われていたが、「病葉」の意味
もわからず、東京に出て他人同士が、やるせない歌詞に
浸り(酔いしれ)歌っていたような気がする、、、、


今日の1句(俳人の名句)

よく見ればどこか病葉なりしかな  稲畑 汀子  


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