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貨幣は、貸借関係で存在します。貨幣に金や銀の裏付けはありません。
貨幣の裏付けは、供給能力です。

 

通貨発行権 通貨って?

2020年11月05日 | 日記

 『通貨の発行』ということは、通貨とは何か、貨幣を流通させることです。流通をさせることができるのが、政府の国債発行で発行される貨幣が通貨になります。また、銀行の融資としての銀行預金で発行される貨幣が通貨になります。

 日本銀行の貨幣の製造は通貨にはなりません。商業銀行が日銀の当座預金から貨幣として引き出して、商業銀行の窓口やATMで現金として使いことになるので、その時点で流通するので、通貨として認識できることになります。

 

 マネーストックが通貨として存在している領域です。

 

 通貨の量をコントロールすることが経済なのです。通貨は、政府と商業銀行が発行できます。

 言い換えれば、マネーストックで貨幣は通貨となります。

 日本銀行は貨幣を作っています。しかし、その現金紙幣は、商業銀行の日本銀行の当座預金から、現金紙幣として引き出して、商業銀行の窓口やATMで使えるようにすることで、現金紙幣や現金硬貨が通貨になります。

 

 

 

 

 

 ここで貨幣が『金貨、銀貨』に拘ると、現実に行われている通貨発行の事実の認識ができなくなります。

 貨幣は金貨、銀貨のようでありたい、とした情念、願望が思考を歪めてしまいます。

 倹約したり、利益として貨幣を沢山稼いだりしてきた資産家は、自ら持つ預貯金や株式や土地などが、お金の単位で表示され認識されます。

 

 そのお金に、貨幣とは『債務と債権の記録』である、と言われるのは、自分の資産の価値が無いのだとした気分にさせられるので、MMTは嫌だ、とする拒否の理由に挙げています。

 

 しかし金貨とか銀貨として認識した場合でも、銀行預金はデーター化された数字にすぎません。政府が建てる予算もデーター化した数字でしかありません。しかし、デフレ状態では、貨幣価値が徐徐に上昇しています。

 

 貨幣は、どんなに頑張っても金貨ではなく、銀貨でもありません。長い年月を認識の混同が起きてきたのです。

 

 政府に通貨の『発行権』がありますし、言い換えれば国債という通貨の発行権があります。また政府小切手として自由に貨幣の発行ができて、マネーストックに通貨として流通させることができます。また日本銀行に交付ができます。

 

 この例として、毎年の予算編成がありますが、この予算編成は、政府に税収が入っていない時点で編成されます。

 

 私たちの税金の2020年度の税収は、2021年の3月に確定申告が行われて、税金が支払われます。供与所得者は、年末調整を経て、やはり所属する会社が2021の3月に支払いの完成がなされます。

 この間、2020年度の予算は執行されて使われいます。税収が入ってこない状況下で、予算が執行れています。この資金はどうやって工面しているのでしょうか。

 

 税収の予測を元に、政府が政府小切手を作り、貨幣を作り出しているのです。政府は、何も原資が無い処から、国債の利子や書換のために、赤字化が起きている医療介護の資金の国債の発行などで、100兆円以上の貨幣の発行を行っています。

 ここが大事なところです。

 

 銀行は預金と言う形の融資で貨幣発行ができます。これがマネタリーベイス(ごめんなさい間違えました、マネーストックでした)での通貨の発行権です。その中には、日本政府が国債発行という形で通貨の発行がなされます。

 ここで『通貨』と言う意味ですが、貨幣を流通させることができることで、通貨といいました。これができるのが、政府と商業銀行なのです。

 

 日本銀行は借用書として現金を発行ができます。しかし通貨として流通はできません。日本銀行の現金は、日本銀行の当座預金にある、商業銀行の当座預金から、現金として引き出す行為があって、市場の現金が流通します。ここで貨幣は通貨になります。流通する貨幣と言う意味です。

 

 こうした事実から、資産家は、空しい感覚になるでしょうが、現金や銀行預金などの通貨は『モノ』ではなくて、貸借関係で成立する、『債務と債権の記録』と表現する以外にはその実態を表す言葉が見つかりません。

 『MMTに目覚めた税理士さん』の項で、説明をしたとうりです。

 

 日本銀行券 下の画像は日本銀行のホームページから抜粋してきたものです。

 

 壱万円の文字の上に『日本銀行券』と記載されています。

 

 下が日本銀行のバランスシート(貸借対照表)です。

 日本銀行券が、『発行銀行券』の名称として、負債の項目に記入されています。

 なぜ、日本銀行券は負債になっているのかを調べてみます。

 

 

 

 金貨、銀貨の貨幣の時代に、商人たちが、商取引に大量の金貨、銀貨を運びながら取引をしていたようです。この大量の金貨、銀貨を持ち運ぶ不便さと、盗難にあう危機がありました。

 

 イタリアのジェノバの大富豪たちが、この不便さを解消するために、富豪たちが、大量の金貨、銀貨の運送のリスクを回避するために、取引先(植民地や外国の地)でで信用という約束の元に、紙に書かれた『手形』で取引を行う習慣ができたということです。取引のできる遠隔地に、必要があれば金貨、銀貨に交換される出店が存在したそうです。

 

 ちなみに、当時の多くの貨幣は銀貨が流通していたそうです。のちに、国際金融資本が大方の金鉱山の支配を始めて、世界の流通通貨を金貨で行うようにさせたということです。

 

 さて、イタリアのジェノバでは、この手形が、最終的に必要な人が金貨、銀貨との交換を行うことで、信用が得られて、金貨、銀貨の『預かり証書』という性質を利用した、金本位制の貨幣が誕生したようです。『預かり証書』はあとで金貨、銀貨との交換がされるので、『負債』として記録されてきました。

 

 こうしたことは、中国の宋の時代にも、大量の銅銭を運ぶ苦労を、遠くの現地で約束した『手形』を銅銭に変える信用を得て、金本位制の貨幣が発行されてきたようです。この手形も銅銭との交換という形で『負債』に記録されました。

 

 イギリスでは、金貨を大量に保管する危険、取引での大量の金貨の移動などから、金貨の保管ということで、金細工商人のところに、巨大な金庫があり、色々なことから、この金細工商人との話し合いが起きて、この巨大な金庫を利用して金貨を預かる商売ができあがったようです。

 

 金細工商人が、預かる手数料と、『預かり証書』を渡すことで、成り立った、金貨の保管所が誕生したのです。金貨の『預かり証書』としての手形が出回り貨幣として通用がなされてきました。この『預かり証書』はやはり、金貨との交換が前提になりますので、『負債』計上されました。

 

 この金貨の『預かり証書』が流通し始めて貨幣となったようです。ここでイギリスの発展は、この金細工商人が発行した、預かった金貨の貸出をはじめて、その利子を受けることで利益を得ることになります。

 

 しかし、『預かり証書』が流通しているのを考えて、その『預かり証書』を貸し出すことになりました。そうした信用ができて、貨幣が誕生して流通しました。

 イギリスの場合、この金貨の『預かり証書』の貸出という商売をする人が乱立して、『預かり証書』を発行する、所謂、銀行の前身のような組織できて、乱立して銀行の潰し合いがおきました。

 

 預かり証書・手形は、金貨を預かったことへの負債として発行されています。ですから金貨との交換が条件になります。潰し合いは、この預かり証書を買い占めて、実際の金貨の量よりも遥かに大量に出した『預かり証書』を集めて金貨との交換を要求したのです。当然存在しない金貨の量的事実ですから銀行は潰れます。

 

 金貨が無いので潰れました。こうしたことで、混乱をおこしたイギリスでは、王室政府が、イングランド銀行を創り、イングランド銀行以外での貨幣の発行を禁止したのです。中央銀行の始まりです。

 

 しかし、このイングランド銀行は、後にユダヤ人の投資会社に買収されることになるそうです。ユダヤ人が世界の金鉱山を手にして、19世紀の末から20世紀の全般にかけて、世界に貨幣の金貨を使うようなことを仕向けます。改めて金貨の使用、或は金本位制への移行を進めます。

 

 戦前の日本でも再び、昭和の恐慌時代に金本位制に移項した時期があります。

 

 その当時、イギリスとフランスが戦争をしていました。長い100年戦争です。この後半には、ナポレオン軍とイギリスの戦争になります。戦費は金貨、銀貨でした。イタリアのジェノバの大富豪などから借りたりして戦争は続きました。

 

 しかし、上で述べたように、イギリスでは、中央銀行の成立で、兌換紙幣の発行から、イギリス政府から国債の発行をして貨幣の増刷を命じられたイングランド銀行が金貨や銀貨に影響されない貨幣の発行をおこなったのです。

 

 ナポレオンは金貨、銀貨の貨幣でしたので、戦費調達のために、常に他国の占領を続けなければ、金貨、銀貨の調達ができない状態でした。

 

 しかし、イギリスは、信用貨幣を発行して戦費に当てました。イギリスの金細工商人が変化して商業銀行になり、それを管理したり、紙幣の発行をしたりして、イングランド銀行が創られました。兌換紙幣(金貨などの金属貨幣との等価交換ができる紙幣)ではない、政府の法律や税金の支払いに使える貨幣が誕生したのです。

 

 ここで、貨幣として認識する場合、金貨に対しての、預かり証書の負債という意識が続き、英国政府の中央銀行が発行する貨幣は、経理上、負債として発行する即ち、イングランド銀行が発行した紙幣は、使う人に、イングランド銀行がイギリスの国民に負債として、その貨幣の価値を保障することになります。という価値観を持たせたのです。

 

 イギリス政府管掌のイングランド銀行が負債として補償する貨幣であるから、信用してその価値を認めることになったのだ、と解釈しています。

 

 そこで、負債という貨幣発行が存在しないと、通貨も存在しないのです。

 そこで、債務があり、その反対の債権が存在して貨幣が表現されることになります。仕訳から初めて、決算書が作られて、貸借対照表(BS)損益計算書(P/L)などが作られて、お金の動きが数字で表現されます。

 

 債務があって貨幣が発行されて、債権との対照に貨幣が存在するのです。ここに貨幣がデーターとして移動しているのです。その状態を記録したものが、複式簿記で表現されているのです。

 

 私のブログから、過去を遡ると、『MMTに目覚めた税理士さん』を見てください。実に味わい深い示唆がされています。

 

 理論が違う、と言っても、現実の日本銀行、商業銀行、政府の国債発行の仕組の事実関係を確りと確かめると、新古典派経済学が現在の主流になっていますが、この経済学が間違いであることが解るのです。