花(U子)

私が撮った花の写真です。
皆さん、見てください。

くちなし

2009-07-06 09:25:57 | 
クチナシ(梔子、巵子、支子)別名 ガーデニア  センプク
原産地 日本、中国、台湾、インドシナ

どんよりとした雨雲に覆われた梅雨時期の庭で、ほんのりとした甘いクチナシの花の香りが漂っています。で、遠くからでも香っていて、よい花木の代表選手としては、春の沈丁花、秋の金木犀と並ぶのですのね。

クチナシの名前の由来は、秋に実る果実から、熟しても裂開しない(いくら熟しても口を開かない)ことから「口無」といわれるようになったそうです。また、他にはクチナワ=ヘビ、ナシ=果実のなる木、つまりヘビくらいしか食べない果実をつける木という意味からか、クチナシに変化したとか。

さて中国では3世紀以前から薬や染料にされていたようでした。『日本書紀』には682年に、種子島よりクチナシから献上されたことだったのでした。古来より、クチナシには四徳があるといわれていましたので、とくに、江戸時代には花が食用にしました。

開花当初は白色で、徐々に黄色に変わっていきます。乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として、サツマイモや栗、和菓子、たくあんなどを黄色に染められます。発酵させることによって青色の着色料にもなり、繊維を染められるのです。

欧米には 19世紀にヤエクチナシが入り、アメリカに渡り改良され、八重咲きになり、20世紀前半まで大流行した。西洋では、ウエディングブーケに良く使われていますね。ほのかな香りに包まれ幸せな気持ちになるでしょう。

で、欧米ではダンディーな男にとっては欠かすことの出来ないおしゃれの小道具で、よく背広の胸ポケットなどに挿しているのを見かけたとかありました。しかし、黒人ジャズ歌手のビリー・ホリデイはしばしば、クチナシの花を髪に飾って舞台に立ったとか。また、キャサリン・ヘップバーン主演の映画『旅情』では"くちなしの花" の一輪を彼女に向かってサッと掲げ列車を見送りたことなのです。

口なしの 淋しう咲けり 水のうへ
         松岡青蘿

薄月夜 花くちなしの 匂いけり
             正岡子規

夏の日はなつかしきかな 
 こころよく梔子の花汗もちてちる
           北原 白秋
          
花言葉 幸福者 洗練 優雅 喜びを運ぶ とてもうれしい とても幸せです