爽やかな一日。こんな日は風に身を任せたい。
木が好き、森が好き、川が好き。
車で10分、私のお気に入りの場所。ただし人が少ない時間のみ。
遊歩道を進むと、エノキ、センダン、カワヤナギ、ニッケイ、オニグルミなどの自生木の森に行く。
昔はもっともっと森だった。今は森というより林になった。
鶯の声が響き、姿は見えないが数種類の鳥の声と重なって聞こえる。
もう少しするとカッコウの大音声がこの森を制するだろう。
木々の間を抜ける初夏の風が何とも心地よい。
ベンチに腰掛けて本を読もう。
このテーブルは日曜日ともなれば家族連れや若いグルーがバーベキューを楽しむところだ。
今はだれもいない。
集中して読んでいたら、風が語りかけた。ページを繰る手を離し、目を上げると、白い光の中にいた。
透明な風がぱらぱらとページを巻き上げていく。
ちょっと重い内容の本を読んでいたけれど、(「深重の海」津本陽)風が少し気持ちを軽くしてくれたような気がした。
明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。苦闘の中で生きた捕鯨の村、大地町のことを想う。
わずかな時間ではあったが、風が、木々が、水のきらめきが、私を本の世界へ連れて行ってくれた。
木が好き、森が好き、川が好き。
車で10分、私のお気に入りの場所。ただし人が少ない時間のみ。
遊歩道を進むと、エノキ、センダン、カワヤナギ、ニッケイ、オニグルミなどの自生木の森に行く。
昔はもっともっと森だった。今は森というより林になった。
鶯の声が響き、姿は見えないが数種類の鳥の声と重なって聞こえる。
もう少しするとカッコウの大音声がこの森を制するだろう。
木々の間を抜ける初夏の風が何とも心地よい。
ベンチに腰掛けて本を読もう。
このテーブルは日曜日ともなれば家族連れや若いグルーがバーベキューを楽しむところだ。
今はだれもいない。
集中して読んでいたら、風が語りかけた。ページを繰る手を離し、目を上げると、白い光の中にいた。
透明な風がぱらぱらとページを巻き上げていく。
ちょっと重い内容の本を読んでいたけれど、(「深重の海」津本陽)風が少し気持ちを軽くしてくれたような気がした。
明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。苦闘の中で生きた捕鯨の村、大地町のことを想う。
わずかな時間ではあったが、風が、木々が、水のきらめきが、私を本の世界へ連れて行ってくれた。
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