写真はkの工具箱
kと二人でベアリング交換の現場に行く朝。
まずは倉庫で工具の積込み。
「誰かかが勝手に持ち出している」とk
ギク、5日前勝手に持ち出して使ったは私だった。
「気のせいだろう」とはぐらかす私。
「スパナの置き場所が違う」とk
ギク、本当だったんだ。Kは自分が積んだり、戻したり
したものが少しでもずれていると直ぐに分かると言う伝説は。
「遅刻するからとにかく行こう」と急かす私。
2人は車へ。いつもより口数の少ないk明らかに不機嫌。
現場に着いて段取も済み、本作業に入って直ぐ。
「3㎜の六角が無い」とk。
ギク、勝手に持ち出して使った時に無くしてしまい後で
買って戻せばいいと思っていたのを忘れていた。
「何処かに紛れているんじゃないか」と俯く私。
「とりあえず、予備があるのでそれを使います」とk。
本当だったんだ。Kがよく使う工具の予備を全て持っている
という伝説は。作業も終盤。
「本締めするので、もう1本の17スパナ取ってください」とk。
私は工具箱の中を探した。そこには油でベトベトになった17ス
パナがあった。私は知っていた、Kがどんなに大変な現場であっ
ても、工具類をその日のうちに磨いていることを。
Kの辞書に後回しの文字はなかった。
慌てた私は17スパナを作業服のお腹の辺りでゴシゴシしてから
Kに渡した。そんなこんなで作業も終了。
私はKのとなりで工具を磨く、Kの視線に耐えながら。
K ごめんなさい。これからはちゃんと言ってから持っていきます。
、、、、そういう問題でない気もするが。