写真は、立待岬から津軽海峡を望んだもの。
微かに見えるのが、下北半島なのか、晴れていれば恐山が見えたりするのだろうか、思いを巡らせていたら突然ハレーションのように映画のワンシーンが、脳裏に浮かんだ。
飢餓海峡、水上勉の原作を内田吐夢が映画化したもの。
私の脳裏に浮かんだのは、まさに最後の最後のラストシーン。
三國連太郎扮する犬飼太吉が青函連絡船のデッキから身を投げるカットだった。
長く、長く、引かれていく曳航、呆然と立ち尽くす刑事たち。
曳航は消えることなく、映画の幕は閉じられた。
飢餓海峡それは私たちの心の中にあるものかもしれない。