写真は、国境のインテリジェンス 佐藤 優 。
眠れない夜、私は妄想する、安倍総理の辞任記者会見を。
カメラを真っ直ぐに見据えた安倍総理が静かに語り始める。
本日をもちまして、私(わたくし)は内閣総理大臣を辞任することをここにお伝えします。辞任の理由つきましては、ここで今更述べるまでもありませんが、もりかけ問題のけじめであります。あらためて述べますが、わたくしも妻も断じて官僚に対して便宜を図るような行為をしたことありません。しかしながら結果としてこの現実を招いてしまったことも、また事実であります。ここに至って総理の座に汲々となるは、わたくしの美学に反します。潔く総理の座を辞したいと思います。
フラッシュ音がひと際高まるなかグッと前を見据える安倍総理。
アベノミクスの成功、国を守るいくつかの法案の成立、そして何よりも日本人が誇りを取り戻せたことに幾許かの感慨を覚えるものであります。しかしながらやはり無念なのは、わたくしの手で憲法改正を成し得なかったことであります。憲法改正なくして戦後レジュームからの脱却はないのであります。憲法改正して初めて日本人が真の誇りをとり戻せたといえるのであります。自主憲法成立、自主防衛、自主外交、これをもってして、日本は日本國とならしめるのであります。これこそが国家の矜持なのであります。
辞めるわけないか!
妄想するのもばからしくなったので、も一度寝よう。