写真は、関門海峡。
かつてこの地、壇ノ浦にて平家は滅んだ。
安徳天皇は8歳にして波の下の都をめざし入水した。
様々な想いが今もこの海の下で眠っている。
p250より
「海上には、赤旗・赤符(あかじる)ども、切り捨てかなぐり捨てたりければ、龍田河の紅葉葉(もみじば)を、嵐の吹き散らしたるに異らず。汀(みぎわ)に寄する白波は、薄紅にぞなりにけり。主もなき空しき船どもは、潮に引かれ風に随ひて、いづちを指すこともなく、ゆられ行くこそ悲しけれ。」平家物語 巻十一。
風は過去から吹いてくる。
その風を確かに受けとめた。