写真は、サロメ 文藝春秋 1400円 税別。
原田マハの新刊が出たので、さっそく購入、読んでみた。
プロローグは現在のイギリス。オーブリー・ビアズリーの研究家、甲斐裕也に送られたメールによってこの物語は始まる。メールの送り主は、オスカー・ワイルドの研究家、ジェーン・マクノイア。その内容はある資料について相談したいとのこと。ふたりはロンドンのホテル「サヴォイ」のティールームでおちあう。その資料はパリの劇場「ブフ・デュ・ノール」の床下から偶然見つかった台本の様なもの。そして、甲斐裕也はその資料を手に取る。
写真は、岩波文庫「サロメ」から。
「暗い池の中から浮かび上がるようにして、宙に舞い上がる。妖女サロメ。燃え立つような黒髪と、天女の如き軽やかな帯が空中にたゆたう、いとおしそうに、彼女が両手で掲げ、いましもくちずけようとしているのは、男の生首。サロメが恋してしまった預言者、ヨカナーンの首 ーのはずだった。
甲斐は目を見開いた。
これは……この首は。
頭に包帯を巻きつけ、やつれて恍惚としたその顔。
違う、ヨカナーンじゃない。
誰だ。ーこれは、いったい、誰なんだ?」
p26。
誰でしょう、知りたい人は、本を買って読んでください。