写真は、「落日」湊かなえ 角川春樹事務所 1600円。
湊かなえの小説を初めて読んだ。
達者な書き手であることは確かだろう。
悼む人の心が最後にそれぞれ癒される、それはそれで良い。
でも、偶然を装って人を傷つけたり、死に至らしめ、そして兄に殺されたた少女の魂はどうなっただろう。
女性の、深淵は、不可解でそして恐ろしい。
女流にしか書けない作品だ。
写真は、「落日」湊かなえ 角川春樹事務所 1600円。
湊かなえの小説を初めて読んだ。
達者な書き手であることは確かだろう。
悼む人の心が最後にそれぞれ癒される、それはそれで良い。
でも、偶然を装って人を傷つけたり、死に至らしめ、そして兄に殺されたた少女の魂はどうなっただろう。
女性の、深淵は、不可解でそして恐ろしい。
女流にしか書けない作品だ。
写真は、「罪の轍」奥田英朗 新潮社 1800円 税別。
昭和38年の吉展ちゃん誘拐事件を骨子として書かれた刑事小説。
横山秀夫には及ばずとも今回はクリーンヒットだと言っておこう。
だいぶ前に書いた「オリンピックの身代金」で下地はあったのだろうが、松本清張を彷彿とさせるその筆使いは見事だ。
こちらは、この本の装丁にもなった。渡部雄吉 「張り込み日記」ナナロク社 2700円 税別。
昭和33年に茨城県で起きた殺人事件の実際の捜査を20日に渡って密着取材した、実録写真集。
刑事の背中。
合同捜査会議。
煙モクモク。
こんなシーンが「罪の轍」にも何度も描かれている。
この作品を超えるのはなかなか大変だけど今後の奥田に期待したい。
写真は、「私たちの国で起きていること」小熊英二 朝日新書 930円+税
書店を徘徊していたら、小熊英二の新書が3冊もひら済みされていたので、手始めにこの本を買ってみた。
小熊英二といえば、「民衆と愛国」のような大著が多かったが、最近は新書も多い気がする。
p258から
「原発や安保法制などの集会参加者には、自分は地域や職場で孤立している、政治の話題など話せない、と述べる人がいる。不思議なのは、同じ人が世論調査などをもとに、自分達は多数派だと主張したりすることだ。『多数派』なのに『孤立』しているのはおかしい。奇妙な自己規制をやめて話してみれば、地域でも学校でも話題は共有できる。
私自身は、近隣の人と挨拶や世間話をよくする。そして、自宅の『向こう三軒両隣』に、国会前の集会に行った人が2人いるとわかった。何万も参加者がいるのだから当然だろう。
もちろん近隣には、志向の違う人もいる。そうした人とも、素直に話せばよい。無理に『中立』を装う必要はない。自己規制で会話もできない社会より、意見が違っても気楽に話せる社会の方がずっとよい。健全な社会、健全な政治は、そんな自己規制を取り払うことから始まる。」
私も国会前の集会に行った。この記事が書かれたのは、2015年10月13日。
あの時、もしかしたら、日本は少し変わるかもしれないと、思った。
でも相変わらずだ。
私達はビーカーの中で少しずつゆでられるアオガエルなのかもしれない。
写真は、「我らが少女A」高村 薫 毎日新聞社 1800円 税別。
物語はひとりの男が同棲相手の女を撲殺することから始まる。その男の供述から12年前の未解決殺人事件の再捜査が動き出す。
「 」を廃し地の文とひとつながりした上で、登場人物の心理を写実して小説は進行していく。
小説は三人称多視点の体裁なのだが、心理の内へ内へ視点が進むので、さながら登場人物達の私小説を、高村が編集しているような作りになっていく。
それぞれの想いが、少女Aを巡ってチリチリと煮詰まっていき、よんでいてこちらまで、なにやら私小説めいて暗くなっていく。
最後の最後で「レディジョーカー」のような救済があるのかと読み進んだが、それもなく小説は終わった。
私は好きな作家のリストから高村 薫を外した。
写真は、「父が娘に語る経済の話。」ヤニス・バルファキス著 関美和訳 ダイヤモンド社 1500円+税
つまり、この世界を構成しているのは、ひとりの個人であるということ。
そしてその世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿にするためには、
まずは、自身が公正で理にかなった者にならなければいけない。
そのために、まずは本書を読むべきだ。
某Aよ、公正で理にかなった人になっておくれ。
ロッカーに入れておく。