たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

ホワイトカラー・イグゼンプション

2006-12-13 14:52:59 | Weblog
 最近ホワイトカラー・イグゼンプション制の導入が問題となっている。労働者の勤務時間は1日当たり8時間、週40時間、それを超えた場合は残業手当を支払わなければならないと労働基準法に定められているが、一定の条件を満たすホワイトカラー労働者についてはこの条項の適用から除外(イグゼンプション)しようとするものである。なぜか。現行の労働時間規制は本来ブルーカラーを念頭に置いたものでホワイトカラーにそのまま適用することは時代に合わなくなってきているからだという。その前提となる一定の条件とは①労働時間だけでは成果を適切に評価できない業種②重要な権限及び責任を相当程度伴う地位③年収が相当程度高いなどであり、例えば研究開発プロジェクトなどに携わるセクションで年収700万円程度以上の労働者を想定しているようだ。
 労働時間規制の適用から除外された労働者は、自分で自分の勤務時間を管理することになる。自分が担当する仕事の進行に合わせて、繁忙の日に12時間働いたら、手のすいた日は4時間にするなどフレキシブルに労働時間を調整することになる。そこには残業手当の問題はは生じない。
 これに対して労働界は猛反発している。ただでさえ残業しても手当が支払われないサービス残業が横行している最中、この制度の導入はサービス残業を正当化し、過労死がますます増えることになると制度の導入に反対している。
 能力不足で勤務時間中に仕事を終えることができないため残業になったり、退社時刻が来ても帰り辛いのでそのまま居残っていたり、サボることと裏腹の「ぶらぶら残業」などの実態がないでもないが、流れ作業でない限り、個々の労働者に無駄のない完璧な効率性を求めることには限界がある。この制度はホワイトカラーの中でも更に限定された部門でしか適用は難しいのではないか。